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入国審査の厳格化指紋や顔写真を義務づけ写真の拡大
![]() ●イラスト スパイスコミニケーションズ(ごみかわ淳)
11月20日から、日本に来た外国人には、空港などで指紋(しもん)の読み取りや顔写真の撮影(さつえい)に応じることが義務(ぎむ)づけられました。テロリストや犯罪者(はんざいしゃ)といった悪い外国人の入国を防ぐのが狙(ねら)いです。このような制度(せいど)が設(もう)けられたのは、アメリカに次いで2国目なのだそうです。 新制度は、外国人の不法な入国や滞在(たいざい)を禁じた出入国管理(しゅつにゅうこくかんり)・難民認定法(なんみんにんていほう)という法律(ほうりつ)を改正(かいせい)して、27の空港と126の港で導入(どうにゅう)されました。観光客も含めた16歳以上の外国人が対象で、その人数は1年間で約700万人に上ると見られています。 具体的(ぐたいてき)には、外国から到着(とうちゃく)した空港や港などで、機械の前に立ち、指示に従(したが)って、ガラス板の上に両手の人さし指を置きます。すると1秒ぐらいでチャイムが鳴り、指紋の登録(とうろく)が終了します。顔写真も、同じ機械の前に立つと、小型のデジタルカメラで撮影されます。 入管リストと照合日本に入ってくる人をチェックしている「入国管理局(にゅうこくかんりきょく)」という国の機関がありますが、登録された指紋などは、この入国管理局のコンピューターにすぐに送られます。入国管理局は、入国させない外国人のリスト(ブラックリスト)を作っており、送られてきた指紋は、これらの外国人の指紋と照合(しょうごう)されます。ブラックリストに載(の)っている外国人かどうかが、5秒ぐらいで分かる仕組みになっているそうです。 では、ブラックリストには、どのような人が載っているのでしょう。それは、警察が指名手配(しめいてはい)している容疑者(ようぎしゃ)や、以前に日本で悪いことをして強制的(きょうせいてき)に本国に帰国させられた人、国境(こっきょう)を超(こ)えて活動するテロリストなどです。登録された指紋が、こうした人物のものと一致(いっち)すれば、入国管理局は入国を拒否(きょひ)したり警察に通報(つうほう)したりします。 初日5人入国拒否新制度が始まった20日には、ブラックリストの人物と指紋が一致したとして、5人が入国を拒否されました。5人は、偽(にせ)のパスポートを使い、ほかの人になりすまして入国しようとしたようです。 今回の制度が設けられたのは、空港などから日本に入国しようとする外国人に対し、パスポートをチェックしたり、入国の目的を口頭(こうとう)で質問(しつもん)したりするだけだった今までのやり方では、日本に入ってはいけない人が紛(まぎ)れていても、見逃(みのが)す恐(おそ)れがあると考えられたからです。 2001年9月11日にアメリカで発生した同時テロ事件は、「アル・カーイダ」という国際テロ組織(そしき)が起こしました。この組織に関係する男が指紋付きで国際手配されていたにもかかわらず、この男は、1999年から2003年までの間に6回も日本に入っていたことが分かっているのです。 ほかにも、過去に強制的に帰国させられたのに、偽造(ぎぞう)パスポートを使ったり、名前を変えて新しいパスポートを手に入れたりして、また日本に来る外国人がたくさんいます。06年に強制帰国させられた外国人約5万6000人のうち、約7300人は過去にも強制帰国させられたことがあり、本来なら入国できない人たちでした。 情報管理など課題新制度の導入で、こうした外国人の入国が防げると期待されているわけですが、指紋や顔写真といった情報の管理については、それらを見る権限(けんげん)を持っていない人が見たり、外に漏(も)れたりしないよう、十分に気をつける必要があります。 また、地方の小さな港に不定期に上陸する漁船などについては、入国管理局の職員(しょくいん)の数が足りないために、チェックしきれないという問題もあります。 新しい制度ができたから大丈夫と考えるのではなく、これからも改善(かいぜん)すべき点が見つかれば直していくことが大切です。 (2007年12月1日 読売新聞)
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