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    戦時中 紙・竹・布で代用品…ランドセル

    読売新聞教育部
    • 最近は、中国や欧米などの観光客にも人気だという(東京・北青山で、藤原健撮影)
      最近は、中国や欧米などの観光客にも人気だという(東京・北青山で、藤原健撮影)

    読売新聞教育部 古沢由紀子

     布製の箱に柳の枝を編んだふたを付けたり、アケビのような(つる)をカゴ形に編んでいたり――。

     江戸・明治期から戦後の学用品など約7000点を展示する「唐沢博物館」(東京都練馬区)には、戦時中から戦後にかけて使われたランドセルが並ぶ。目を引くのが、革に似せた「紙のランドセル」だ。

     収蔵品は、東京教育大名誉教授の唐沢富太郎さん(故人)が全国の学校や古道具店などを回って集めたもので、紙のランドセルは「『ファイバー製』と聞いている」と、三女のるり子さん(59)。パルプを薬品で固めるなどした加工紙とみられ、通常の紙より硬く、厚みがある。柿渋のような茶褐色に塗られた表面は、ざらりとした感触だ。

     明治中期、西洋式軍隊の背負いかばんを参考に学習院で使われ始めたというランドセル。オランダ語の「ランセル」((はい)のう)が語源とされる。都市部を中心に普及したが、戦時下の1938年、軍靴などに使うため皮革の民間使用が制限され、竹や布といった代用品が登場した。

     大正生まれだった記者の祖母も晩年、「昭和20年4月、配給の赤い紙のランドセルを背負って長女が新1年生になった」と回想録につづった。当時、疎開先の栃木県で入学した母(76)によると、子どもにも一目で紙と分かる粗末なものだったという。「ぺらぺらで雨にぬれると破れ、すぐにダメになった。両親はふびんに思ったのでは」と振り返る。

     終戦後も物資は乏しく、野球少年や花柄を型押しした豚革のランドセルが作られたものの、「高根の花」だったようだ。

     昭和30年代以降は、牛革製が全国的に定着し、この20年余りは軽量の人工皮革が主流になっている。大手メーカー「セイバン」(兵庫県)が昨年東京・北青山に開いた直営店には、様々な色のランドセルが並ぶ。この春の人気は、光沢のある「パープル」だとか。

     どんな時代でも、小さな背に注ぐ親の思いは変わらない。(古沢由紀子)

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    2015年04月24日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun