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    スクールデイズ

    「パズルみたい」数学が得意…ムロツヨシさん

    聞き手・高山千香

    俳優

    • ムロツヨシさん(横山就平撮影)
      ムロツヨシさん(横山就平撮影)

     小学生の頃からクラスのお調子者でした。

     毎年クラス替えがあって、1年生と4年生では年2回もありました。最初はクラスの雰囲気がぎこちないので、ほぐさなくちゃと松田聖子さんや森進一さんのものまねをして笑わせました。みんなが仲良くなってしまうと、飽きられちゃって、人気者にはなりきれなかったんですけどね。

     中学、高校でもひょうきんなキャラクターは変わらず、男子女子問わず仲良くできるタイプでした。家庭環境が複雑で、4歳から父方の親戚の家で育てられたため、学校に居場所を求めていたんだと思います。せっかく学校にいるんだから楽しく過ごしたいと思っていたし、話しづらそうな同級生でも気にせずどんどん話しかけていたら友達が増えていきました。

     中学ぐらいから急に数学が「パズルみたいで面白い」と思えるようになり、得意になりました。特に好きだったのが高校2年の時の「基礎解析」。その中に「数学的帰納法」という証明の方法があり、今も自分の考え方の基本になっています。最初に命題を立てて、立証するための具体例を挙げていくやり方です。例えば役者になる、という命題を立証するためには何が必要か、淡々と考えればよい。命題を立てた後の立証方法が自由な点にひかれました。今でも教科書は大切に残してあります。

     得意な数学を生かし、東京理科大数学科に進学しましたが、3週間ぐらいで行かなくなってしまいました。目標を持って入学した同級生を見て、自分のやりたいことは何だろうと、初めて突き詰めて考えました。5月頃、段田安則さんが出演する舞台を見て、「俳優になりたい」と思い、大学を中退。俳優養成所に入り直しました。

     時間はかかりましたが、今は念願だった俳優になれて、充実しています。学生のみなさんにも、自分とは何者かをとことん考える時間を持ち、好きな道に進んでほしいですね。(聞き手・高山千香)

    プロフィル
    むろ・つよし
     1976年、神奈川県生まれ。舞台や映画などで活躍。NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」では天才建築家を演じた。17日から自身が脚本・演出も務める舞台「muro式.9『=』」(東京、大阪など)に出演する。

     (2015年9月17日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年09月21日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun