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    スクールデイズ

    自主性を尊重 調べる力付く…逢坂剛さん

    聞き手・鳥越恭

    作家

    • 逢坂剛さん(伊藤紘二撮影)
      逢坂剛さん(伊藤紘二撮影)

     中学、高校時代は好きなことばかりしていました。勉強も学内行事も、生徒の自主性に任せられていた私立開成中学、高校(東京)のおかげだと思います。

     推理小説を愛読していた私は、授業中によく、自作の小説をノートに書いていました。あるとき、それが国語の先生にみつかって、ノートを取り上げられました。親に報告され、怒られるだろうと心配していたら、その先生はノートに書かれた誤字脱字を赤字で添削し、後日、返してくれたのです。

     授業を聞くのも聞かないのも本人の自主性に任されていたようです。他の生徒に迷惑をかけるようなことなどをしなければ、何も言われませんでした。

     運動会や文化祭の運営も生徒に任されていました。

     運動会は色違いの6組に分かれた対抗戦で、組ごとに生徒たちがベニヤ板で大きな立て看板を作り、それに絵を描いて応援合戦をしました。高校3年のときは、チームで応援歌を作り、私は作詞を担当しました。

     映画も好きでした。文化祭では、「西部劇とは何か」というテーマの企画発表をしました。映画会社や東京・神田の古書店街を回って西部劇のポスターやプログラムを集め、模造紙に「西部劇こぼれ話」と題した説明を書いて会場に展示しました。腰に付けた拳銃の模型を早く抜き合う「早撃ち大会」も催しました。

     現在、私は母校の理事を務めていますが、「生徒の自主性に任せる」校風は今も残っているようです。自主性に任せられると、自分の力で調べ、学ぶ力が養われます。ノートに書いた小説も、運動会や文化祭の準備も、いろいろ調べてから取り組んだものでした。自分で調べる方法論が、作家の仕事も含めたその後の私の人生の役に立っています。(聞き手・鳥越恭)

    プロフィル
    おうさか・ごう
     1943年、東京生まれ。中央大法学部を卒業し広告会社勤務。ミステリー小説などで脚光を浴び、87年、「カディスの赤い星」で直木賞受賞。その後も時代小説など活躍の幅を広げ、2015年4月、「平蔵狩り」で吉川英治文学賞受賞。

     (2015年5月14日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年05月18日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun