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    スクールデイズ

    野山駆け 体力と集中力…三浦雄一郎さん

    聞き手・伊藤史彦

    プロスキーヤー

    • 片岡航希撮影
      片岡航希撮影

     小学生の頃は体が弱くて、勉強もできない劣等生でした。

     営林局に勤めていた父親の転勤で、青森県や宮城県などの小学校に転校しました。

     両親は勉強させようと思ったのでしょうね。仙台市への引っ越しを機に小学4年の春から、師範学校付属の小学校に通いました。勉強についていけず、先生にも怒られてばかり。肋膜ろくまく炎も患って、半年ほど入院しました。退院後、父が蔵王でのスキーに連れて行ってくれると言ったら元気になった。よほど学校が肌にあわなかったのですね。

     5年生の時、岩手県金ヶ崎町にあった、全校生徒約50人の小学校に転校しました。田舎の学校になり環境ががらりと変わりました。授業が終わると、友達と野山を駆け回って遊びました。学校生活にも自信を取り戻しました。

     ところが、黒沢尻中学校(現・岩手県立黒沢尻北高校)を受けたら、私だけ不合格。ショックで、押し入れの中に引きこもってしまいました。出てくるのは食事の時だけ。1週間ぐらい過ぎた頃でしょうか。母親が「中学校を1回落第したぐらいで、何をめそめそしているの。おじいさんは落選したら4年間は浪人だよ」と言うのです。母方の祖父は衆院議員でした。「おじいさんにも、そんなことがあったんだ」と、気持ちが楽になりました。やりたいことを精いっぱいやろうと、外遊びを再開しました。高校や大学では、スキーなどに熱中しました。やがて、それが本職になりました。

     鬼ごっこでもかくれんぼでも、夢中になって遊ぶと体力や集中力が身に付きます。創造性も養えます。困難を乗り越えていく支えになるのも体力です。その人なりの能力を最大限発揮していける基礎基本は、子供の頃に夢中になって遊んだ体験にあると思います。(聞き手・伊藤史彦)

    プロフィル
    みうら・ゆういちろう
     1932年、青森市生まれ。70年にエベレストの標高8000メートルからの世界最高地点スキー滑降を成し遂げるなど冒険家として活躍。2013年、80歳で3度目のエベレスト登頂に成功し、世界最高年齢登頂記録を更新。広域通信制高校のクラーク記念国際高校校長。

     (2015年5月21日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年05月25日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun