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    スクールデイズ

    山、川、田んぼ 遊びから個性…小倉久寛さん

    聞き手・桜木剛志

    俳優

    • 小倉久寛さん
      小倉久寛さん

     三重県の山あいの町で育ちました。家の前の未舗装の道路を杉やヒノキを積んだ荷馬車が通り、たまに猿や鹿も出没していました。

     子ども時代から風貌も変わっていません。そして古里を愛する気持ちも変わりません。

     小学生の頃の遊び場は山、川、田んぼ――。山ではよく友達とチャンバラごっこをしました。手頃な太さの木をノコギリで切り、刀を手作りしていました。体中にあざや傷が絶えませんでしたが、たたかれる痛さを知り、力の加減を体で覚えることもできました。

     夏場は川でウナギを釣りました。石にくくりつけたたこ糸の先に針を付け、ざるで捕まえた小さな魚を餌にします。水流の速い5、6か所に仕掛ける。翌日見に行くと、何匹か、かかっています。母は旅館を営む親類からウナギの調理法を教わり、かば焼きにしてくれました。学校に持って行く弁当が「うな重」ということもしばしばありました。今考えるとぜいたくな話ですね。

     力道山が好きで将来プロレスラーになりたかった。稲刈り後の田んぼではプロレスごっこをして、腕立てや腹筋を日課にしていました。忍者のような軽快な動きにも憧れ、バック転の練習も重ねたものです。

     勉強の成績も良かった方だと思います。小6の担任の先生は、質問に正解したりテストの点数が良かったりすると「よく分かったな」と褒めてくれました。怒られたのは近所の柿の木に登った時くらいかな。

     時間に追われることなく、楽しさを求めてのびのびと過ごした幼少期があったから、のんびり屋だけど体を動かすことも得意な個性が育まれた。今の役者の仕事につながっているんです。(聞き手・桜木剛志)

    プロフィル
    おぐら・ひさひろ
     1954年、三重県出身。79年、三宅裕司さん主宰の劇団「スーパー・エキセントリック・シアター」に参加。26日まで新橋演舞場で公演中の「プリティウーマンの勝手にボディガード」に出演。

     (2015年6月4日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年06月08日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun