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    スクールデイズ

    「普通の子ども時代」に感謝…浜口京子さん

    聞き手・山田睦子

    レスリング選手

    • 浜口京子さん(関口寛人撮影)
      浜口京子さん(関口寛人撮影)
    • 小学生の頃の浜口さん
      小学生の頃の浜口さん

     幼い頃から体を動かすことが好きでしたが、レスリングを始めたのは中学生になってからと遅いんです。

     小学校は、地元の東京都台東区立浅草小に通いました。休み時間になると、校庭に走って出て、一輪車などをして遊んでいました。放課後も公園で鬼ごっこやかくれんぼに明け暮れました。毎年夏に近くで開かれる浅草サンバカーニバルには小学校で参加していて、体操服姿で先頭に立ち、踊っていました。

     運動では特に水泳が得意で、小学校で一番速かったです。中学校でも水泳を続けようと、強豪の私立武蔵野中(東京)に進学しました。でも、周囲のレベルがとても高くて、練習についていくのが精いっぱい。1年生で水泳部をやめてしまいました。

     本当は、小学生の時から父・アニマル浜口のようにプロレスラーになりたかったんです。父が試合で命懸けで闘う姿を格好いいと思い、小学校の卒業文集では将来の夢の欄に、「プロレスラー」と書きました。だけど恥ずかしくて両親には言えず、太いペンで塗りつぶして家に持って帰りました。

     水泳部をやめ、のほほんとしている様子に気づいた父から、ある日、「将来、何になりたいんだ」と問いただされ、初めて夢を打ち明けました。両親は応援してくれました。格闘技の基礎を学ぶためにと、レスリングを勧めてくれたのは母です。レスリングに出会い、人生、これで歩んでいきたいと手応えを感じました。

     それからは、練習で遊ぶ暇もない生活です。だからこそ、楽しいことがいっぱいできた普通の子ども時代を送ることができて、よかったと思います。今でも、浅草の街を歩けば、小学校時代の友人らに出会います。「頑張ってね」と声をかけてもらい、とても励みになっています。(聞き手・山田睦子)

    プロフィル
    はまぐち・きょうこ
     1978年、東京都生まれ。ジャパンビバレッジ所属。世界選手権優勝5回。アテネ、北京五輪の女子レスリング72キロ級銅メダリスト。2012年のロンドン五輪は初戦で敗退したが、翌年の全日本選手権では16回目の優勝を飾った。

     (2015年6月18日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年06月22日 08時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun