文字サイズ
    学校、受験など教育に関する掘り下げた記事をタイトルごとに掲載します。
    スクールデイズ

    演劇に熱中 表現する楽しさ…川平慈英さん

    聞き手・伊藤史彦

    俳優

    • 川平慈英さん(藤原健撮影)
      川平慈英さん(藤原健撮影)

     沖縄で生まれ育ちましたが、本土復帰の1972年、父の仕事で東京に引っ越しました。

     しばらく公立小学校に通い、兄のいた玉川学園中学部を受験し、入学しました。そこで、僕にとって「演劇の父」となる榑松くれまつ史人先生に出会いました。

     入学式の直後、英語劇部の顧問だった先生に突然、呼び止められました。「君が慈英君かい? 英語劇やってみないか? よし、決まりだ」。兄から僕のことを聞いていたらしいのです。

     部の目標は、毎年12月の文化祭でのミュージカル公演で、1年目の演目はミュージカルの傑作「ウエストサイド物語」。先生が高校生の時、家族で米国に滞在し、ブロードウェーで実際に見て大好きになった作品らしいです。

     当時、まだ20歳代後半の熱血先生で、歌や踊りを何度も練習させられ、へとへとになりました。でも、先生は「声が出てる!」「体、動いてるよ!」と、真剣になって褒めてくれるので、やる気につながりました。初舞台の本番では、割れるような拍手と喝采を浴び、血湧き肉躍る感動を味わいました。全身で表現することの楽しさを初めて知ったのです。

     高等部に進学すると、ちょうど先生も高等部に異動となり、一緒に演劇表現部を設立しました。読売サッカークラブ(現・東京ヴェルディ)のユースチームにも所属していたのですが、文化祭のある12月はサッカーを休み、オリジナルのダンスやパントマイム、即興劇に没頭しました。

     先生は2012年3月に玉川学園を定年退職されましたが、今も親しくさせてもらっています。生徒たちが大きく成長していくには、才能や長所を見いだして「いいぞ! でも、もっとできる!」と鼓舞してくれる教師の存在はとても重要だと思います。(聞き手・伊藤史彦)

    プロフィル
    かびら・じえい
      1962年、那覇市生まれ。上智大在学中の86年にミュージカル「MONKEY」で俳優デビュー。サッカー経験を生かし、スポーツナビゲーターとしても活躍。TBS系で17日開始の金曜ドラマ「表参道高校合唱部!」に出演する。

     (2015年7月16日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年07月20日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun