伝統校への挑戦状…志願者数日本一、近大の広報戦略
定員割れ4割強の厳しい世界…15万人が志願した大学
止まらぬ少子化で人口が減り、厳しさが増す大学経営。15年に定員を充足できなかった大学は250校に上り、全体の4割強に及ぶ。
15年の一般入試で10万人以上の志願者を集めたのは、3つの大学だった(大学通信調べ)。2年連続で1位の座を獲得した近畿大学は11万3704人、明治大学(東京都千代田区)が10万5702人、早稲田大学(東京都新宿区)が10万3494人と続く。
近大は14年一般入試で、それまで4年連続で志願者数トップを記録していた明大を抜くと、15年には推薦入試を含む総志願者が15万5778人を記録。近大としての史上最高記録を2年連続で更新した。
近大は大阪理工大学などを母体として、建学の精神に「実学教育」と「人格の陶冶」を掲げて昭和24年に設立。15年5月現在、医学部、法学部、農学部、文芸学部など13学部に学生約3万1000人が在籍する総合大学だ。
来春には国際学部が加わって14学部となる。英語で論文を発表する理系・医学部の教授が多いことから、世界的に論文が引用される率が比較的高く、研究面では国際的な評価を得てきた。
「早慶上理」「関関同立」…入れ替え戦のないリーグ戦
だが、近大の取り組みについては、国内的にはそれほど注目されてきたわけではない。私立大に対する世間の評価は、以下の言葉でよく語られる。首都圏では現在、「早慶上理(早稲田大、慶応大、上智大、東京理科大)」グループを筆頭に、「GMARCH(学習院大、明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)」「日東駒専(日本大、東洋大、駒沢大、専修大)」と続く。
そして関西では「関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)」がトップグループで、そこに続く「産近甲龍(京都産業大、近畿大、甲南大、龍谷大)」に近大が入っているのだ。
近大広報部長の世耕