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    スクールデイズ

    合言葉は「Can do!」…石橋杏奈さん

    聞き手・伊藤甲治郎

    女優

    • 鷹見安浩撮影
      鷹見安浩撮影

     福岡県北部の岡垣町で小学3年生から中学2年生まで過ごしました。海と山に囲まれた自然豊かな町で、町立小学校と中学校に通いました。

     海岸に産卵しに来るウミガメのためにと、町の小中学生は年1回、海岸の清掃をします。お弁当を持って行き、午前中から昼過ぎまで海岸に流れ着いたごみを集めるんです。

     大木などの重いごみは、学年の違う子たちで一緒に持って運びました。チームワークが生まれ、知らない子とも仲良くなりました。海岸は清掃前とは見違えるようにすっきり。遠足のようなワクワクする行事でした。

     中学校では放送部に入りました。給食の時間に献立のアナウンスをしたり、登下校時のあいさつをしたり。小さい頃から声に出して本を読むのが好きだったので、楽しかったです。

     人間関係に悩んだこともありました。中学1、2年の担任の中村恵美子先生(50)は2人きりで話せる校舎内の和室で、悩み事を聞いてくれました。とにかく前向きで笑顔が優しい。先生の合言葉は「Can do!」で、「やればできる」という意味だと受け止めました。「杏奈ならできるよ、大丈夫。Can do!」とよく言われました。

     中学2年の時、オーディションに応募しました。学校で話題になるのは恥ずかしかったので周りには黙っていましたが、中村先生に最終選考まで進んだことを打ち明けると、「すごい、すごい」と喜んでくれ、元気をもらいました。

     上京後、先生から「私も杏奈のように夢に向かって挑戦してみようと思う」とメールを頂きました。先生には、子どもたちの悩みを理解するために臨床心理学を学ぶ夢がありました。休職して大学院に通って臨床心理士の資格を取得し、その後、県内の中学校で教えておられます。

     仕事を始めてから「これは無理かも」って思う時、ふと「Can do!」が浮かんできます。心の隅にいつもある言葉。恩師の言葉に今も勇気づけられています。(聞き手・伊藤甲治郎)

    プロフィル
    いしばし・あんな
      1992年、福岡県生まれ。2006年にオーディション「ホリプロタレントスカウトキャラバン」でグランプリになり、翌年に女優デビュー。現在、フジテレビ系ドラマ「無痛~診える眼~」で臨床心理士を演じている。

     (2015年11月19日付読売新聞朝刊掲載)

    2015年11月24日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun