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    学校 モノ・風景

    濃い「2B」や「B」主流に…鉛筆

    読売新聞教育部 飯田達人
    • 文具店の棚に並ぶ鉛筆も2BやBが多い(東京都中央区の銀座・伊東屋で)=工藤菜穂撮影
      文具店の棚に並ぶ鉛筆も2BやBが多い(東京都中央区の銀座・伊東屋で)=工藤菜穂撮影

     「とがった芯が好きで、筆箱に入った5、6本の鉛筆を毎日削っていました」。

     横浜市の平野洋子ひろこさん(71)が小学校時代に使った鉛筆の思い出を手紙で寄せてくれた。短くなった鉛筆を差して持ちやすくするホルダーを使う児童もいたという。

     1951年創業の鉛筆メーカー、北星きたぼし鉛筆(東京)の杉谷和俊社長(67)によると、欧州で生まれた鉛筆が日本に伝わったのは江戸時代の初めで、学校には戦前の20年代に普及した。東京都葛飾区の同社工場内には、鉛筆の製造過程や歴史を紹介した「東京ペンシルラボ」がある。杉谷社長は、「削らないと書けないのが鉛筆の最大の特徴。子どもも、昔は小刀で削っていたものです」と説明する。

     教室などで、児童生徒が鉛筆を削った小刀で有名なのは、「肥後守ひごのかみ」だ。兵庫県三木市の刃物専門店、永尾駒製作所が商標登録している。

     しかし、60年、17歳の少年による浅沼稲次郎社会党委員長(当時)の刺殺事件を機に、子どもに刃物を持たせない運動が起こり、鉛筆削りの普及もあって、小刀は学校から姿を消す。

     一方、鉛筆の生産量は66年に13億本を超えたが、その頃からシャープペンシルやボールペンが普及、昨年は2億本弱に落ち込んだ。ただ、小学生には今も鉛筆を使わせる学校がほとんどだ。変わったのは芯の濃さ。三菱鉛筆(東京)によると、20年前は「HB」が売り上げの5割を占めた。今は「2B」が4割強、「B」が2割と濃くて軟らかい芯が好まれる傾向にある。

     東京都品川区立山中小では、児童の持ち物の規定で、「筆箱にBか2Bの鉛筆を4本程度入れる」としている。「HBで書いた字は薄くて見えにくいから」と学校側は説明する。また、「子どもの筆圧が弱くなっているのでは」との見方もある。

     長野県池田町立会染あいそめ小では、月に1度、授業前の15分間、児童たちが肥後守で鉛筆を削る。「手先の器用さと集中力を養うため、約30年前から続けています」と荒井和子校長(58)。

     削って使う鉛筆が教えてくれることは多い。(飯田達人)

     「学校 モノ・風景」では学校生活を彩るモノや行事を通し、教室や子どもの暮らしの変遷をたどります。今後、「大掃除」「書き初め」などを取り上げる予定です。エピソードに氏名、連絡先を添え下記の宛先へお寄せ下さい。
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    2015年12月08日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun