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    学習法

    出版不況でも好調! 「東大流」歴史学習漫画が120万部売れている理由

    メディア局編集部 津秦 幸江
     今年8月に株式会社KADOKAWAが出版した小学生向けの学習教材である角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』(全15巻)が累計発行部数で120万部を超える売れ行きとなっている。従来の学習漫画シリーズよりも小ぶりなサイズであることや、歴史の流れをつかむ「東大流」という最新の歴史教育メソッドを取り入れたことなどが好調の背景にあるようだ。なぜ今、学習漫画が注目を集めているのか。『歴史をつかむ技法』の著者で、同漫画を監修した東京大学史料 編纂 ( へんさん ) 所の山本博文教授と角川まんが学習シリーズの石井康予・編集長に聞いた。

    3社の「牙城」に参入

    • 角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』(全15巻)
      角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』(全15巻)

     ――学習まんがの中でも「日本の歴史」というのは以前からあったもの。なぜ改めて注目されていると思いますか。

     石井康予・編集長)実は学習漫画を手がけたのはKADOKAWAとしては初めてでした。きっかけは、他社の学習漫画の「日本の歴史」シリーズが好調であるというのを受けたものです。「日本の歴史」はもともと小学館・集英社・学研の3社がマーケットを固く維持していましたが、2012年に学研さんが最新の絵柄で「日本の歴史」を新しく出し直したんですね。それが非常に売れていると聞き…。当社ではその頃、子供向けの小説レーベル“角川つばさ文庫”が好調で、次に子供向けで何をやろうかとなったとき、学習漫画の「日本の歴史」に参入しようということになりました。

     

     ――累計で120万部というのは想定していましたか。

     石井編集長)いいものが出来たとは思っていましたが、ここまでとは思っていませんでした。ありがたことに、全15巻のセットが売れていて…。お店の立地にもよりますが、都心のデパートにある書店さんでは、祖父母がお孫さんへのプレゼントとして購入してくださることが多く、なかには、5人の孫に全15巻セットを5セットお買い上げいただいたケースもあったと聞いています。小学生向けですが、中学生レベルの内容で作っているので、高校受験や大学受験用としても活用していただけます。

     

     ――これまでの学習漫画と比べると、サイズがコンパクトでソフトカバーで、持ち運びしやすそうですね。

     石井編集長)これはまさに私の上司が、いまどきあんな固くて重い本は子供が読まないから絶対小さいほうがいいと信念を持って言っていた点でした。ただ、学習漫画は「菊版ハード」というハードカバーで重い本が主流なので、コンパクトにするのはちょっと大胆すぎるのではという迷いもありました。そこで、親子を対象にしたモニター会をして、親子ともに持ち比べてもらったところ、「絶対にコンパクトでソフトカバーのほうがいい」という答えが圧倒的に多くて、自信をもってやろうということになりました。

     

     ――塾や学校のランドセルに入れて持ち歩きやすい大きさですね。

     石井編集長)まさにそう言われました。「ビリギャル」の著者で、漫画での歴史学習を勧めている、学習塾「坪田塾」塾長、坪田信貴先生は、「歴史は教科書で覚えずにすべて学習漫画で覚えて、常に90点以上を取っていた。歴史は学習漫画で学ぶほうがいい」というほど推奨している方です。今回のシリーズは持ち運びやすく、通学途中でも読むことができますが、何度も何度も繰り返し接触することで好きになっていくという「単純接触効果」が心理的ハードルを下げるので、何度も見返すうちに歴史が好きになっていくという非常によい効果を生み出すとおっしゃっていました。

    2015年12月28日 11時57分 Copyright © The Yomiuri Shimbun