文字サイズ
    学校、受験など教育に関する掘り下げた記事をタイトルごとに掲載します。
    受験

    偏差値29だった私が東大に合格したセンター試験本番対策!

    作家、イラストレーター  杉山 奈津子
     いよいよ、受験シーズンに突入する。16~17日には、大学入試センター試験が実施される。受験生はもはや秒読み段階だ。「人事を尽くして天命を待つ」の心持ちの受験生が多いだろうが、ちょっと待ってほしい。試験の受け方のわずかな差が当落を左右することもある。東京大学薬学部出身で、 『精選版 偏差値29からの東大合格法』(中公新書ラクレ) などの著書がある杉山奈津子氏が、意外に知らない入試必勝対策をお贈りする。

    センター試験の出来は「時間配分」で決まる

    • 2015年1月17日に行われた大学入試センター試験
      2015年1月17日に行われた大学入試センター試験

     外に出かけるときに腕時計をはめると、金属部分のひんやりとした感触が強く感じられるようになってきました。冷たい風の中、書店に行くと大学の過去問題集が目立つ場所に移動されており、今年もいよいよ受験シーズンが近づいてきたと実感します。受験生だった当時を思い出す方も少なくないことでしょう。地方の高校の芸術コースだった私は、高3秋の模試でなんと数学偏差値29。それでも東大に合格した秘密の一つは、センター試験対策にありました。

     そこでここでは、もうすぐ行われるセンター試験にむけて「周囲との点差をつけるために役立つ方法」をご紹介したいと思います。

     第一に、センターは「時間配分」に気を付けるべきです。センター試験を受けたことがある経験者に「試験で意識すべきことは何か」を尋ねると、多くの人が「あれは知識量よりも、むしろ時間の使い方の試験と考えて受けるべきだ」と答えることでしょう。

     センターは、比較的簡単に解ける問題が多く、誰も解けないレベルの難問が出ることはありません。その証拠に、毎年発表される各科目の最高点はほとんどが百点満点。東大の同窓生には、2科目ある数学の両方とも満点という学生も珍しくありませんでした。問題の難易度よりも、制限時間に対して問題の数が多いことに苦労する学生が多いようです。

     時間を有効に使うためには、出題される順番のまま素直に解いていくことはオススメできません。前半の問題にこだわって時間をかけすぎた結果、後半にある簡単に解ける問題に手を付ける前に終了のチャイムが鳴ってしまうケースが多々あるからです。

     本来、とれるはずだった点数をこぼしてしまうのは痛い。試験には、勉強不足の人が「分からないから解いていない」箇所も、勉強してきた人が「時間がないから解いていない」箇所も、全く同じものとして処理されるという残酷な性質があるのです。

    暗記系が先、思考系は後

    • 試験開始を待つ受験生(大阪大学で15年1月17日撮影)
      試験開始を待つ受験生(大阪大学で15年1月17日撮影)

     ではどんな順序で解いていくのがいいのかを、国語を例に考えてみましょう。問題の冊子を開くと、まず現代文(評論・小説)、そして古文、漢文の順番で並んでいます。古文と漢文は「言葉」ではあるものの、ほとんどが暗記で解けてしまいます。一方、現代文は、よくよく考えないと解けない問題も多い。暗記が多い科目の特徴は、知識があるかないかで、問題が解けるかどうかがすぐに決まること。知識がなければ、いくら考えたところで答えは出ないので、スパっと割り切るしかありません。

     それに比べて思考する問題が多い科目は、解くために必要な時間が不明瞭です。すんなり分かる問題もあれば、時間をかけて悩んでも分からない問題も。最初に、どれだけ時間がかかるのかが分からない問題から始めて長考していると、知識でパッと解ける問題まで時間内に手がまわらない可能性が出てきます。逆に「暗記系」科目から始めれば、知識で分かる問題を処理した後は、残りの時間を全て「思考系」科目に充てられるので、存分に時間を使ってどの解答が正しいのか悩むことができます。そのため、国語を解く順番は、古文・漢文をやった後に現代文、が賢いのです。

     数学では、もし得意な分野があるのなら、そちらから解いていく方がいいでしょう。得意な分野はスラスラ解けるものが多いが、苦手な分野は、どうしても長時間手を止めて考えてしまう部分が出てくるからです。つまり、苦手科目は「思考系」科目と似ているところがあると言えます。

    2016年01月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun