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    受験

    偏差値29だった私が東大に合格したセンター試験本番対策!

    作家、イラストレーター  杉山 奈津子

    必勝! マークシートの「倍数チェック法」

    • 試験開始前、緊張した雰囲気に包まれた会場(浜松市内で15年1月17日撮影)
      試験開始前、緊張した雰囲気に包まれた会場(浜松市内で15年1月17日撮影)

     このようにして各科目、解く順番に関して事前に対策を練ったほうがよいのです。

     次に対策すべきは、「マークシート」。学校で行われる期末試験などは基本的に記述形式だったはずです。つまり、ほとんどの学生が、選択した解答のマスを塗るマークシート形式に慣れていないと言っていいでしょう。

     最も避けねばならないのは、解答欄を間違えること。解答欄が1つズレしてしまえば、答えが合っていようが間違えていようが関係なく、残りの問題全ての点数がゼロになってしまいます。慣れていないマークシートでは、とかくこの「マークミス」が起きやすいもの。もし時間がないギリギリの状態でマス目を塗っているときに、最後の1問でマスが足りないことに気づき、解答欄が合っていないことに気づいたら……なんてことは、想像するだけでも恐怖です。

     余裕があるときでも、「どこでズレてしまったのか?」を探すのはなかなか苦労します。1つ1つの問題と答えを照らし合わせ、ズレた場所を探す作業は骨が折れるし、無駄に時間を使いますよね。

     だからといって、問題を1問と解くごとに1つずつシートを塗りつぶすのも手間がかかります。長い問題を解いている途中にシートを塗る作業が間に入ると、集中力が途切れてしまうため厄介。普段慣れないマークシートを制することこそ、勝負を左右する大きな要因となるのです。

     そこで私が編み出したのが、『偏差値29からの東大合格法』でも紹介させていただいたマークシートの「倍数チェック法」。まず、マークシートに1,2,3……と並んでいる解答欄の、5の倍数の横に、チョコンと横線を入れる。数学はアイウエオ順なので、オ、コ、ソ、ト、ノの横にチェック。この方法なら、見直しのときに5の倍数の箇所(5番、10番、15番、20番……)だけ、答えとマークシートがズレていないかを確認すればすむ。もしズレていた箇所が見つかったとしても、直前の5の倍数部分まではチェックしてあるわけなので、ズレは1つ前のたった5問の中にあると分かり、瞬時に見つけ出すことができます!

     私はキリがいいからという理由で5の倍数にしましたが、7や10など、自分にしっくりくる数字で試してもらいたいと思います。

    緊張をほぐす魔法のシャープペン&腕時計

     最後に、自分ではコントロールしづらい当日の「緊張」に関して。緊張して真っ白になった頭では、時間もうまく(さば)けないし、マークミスも起こりやすいものです。そこでいくつか、緊張をほぐすのに効果的な方法を紹介しましょう。

     心理学では、「緊張していない」と自分に思いこませるのは逆効果。「自分は緊張している」と開き直ってしまった方が、興奮が緩むことが研究で判明しています。実際に声に出して「自分は緊張している」「だから集中できる」と言ってみると、本来の実力が発揮しやすくなりますよ。

     また、脳は「鏡に映った自分の顔」を見ることで、気分を認識することが分かっています。もし緊張している状態でも、鏡に自分が笑っている顔が映っていれば、脳は「そうか、今は楽しい状況なのか」と勘違いするのです。そして、気分がラクになる成分が体内に放出されます。試験当日に、朝の洗面台、休憩中のトイレなどで、鏡にむかってニッコリ笑ってみるのはオススメです。

     そして、試験が始める前に深呼吸をしましょう。緊張すると呼吸が浅くなりますが、本人は気づきにくいものです。深い呼吸により、興奮を抑えリラックスを促す副交感神経が優位に働き、落ち着いた精神状態になります。ポイントは、「吸う」よりも「吐く」を意識すること。体中の酸素を出し切るつもりで息を吐いてみると、自然に大量の酸素が肺の中に入ってきます。

     また、気分をほぐすために、「人は普段使っているものに触ると安心する」という性質を利用しましょう。前もって自分のお気に入りの文具を作っておくのです。私は、センターも入試も同じシャープペンを使っていました。100円で買った、どこにでも売っているシャープペンです。受験勉強のときはずっとそれを使っていました。手に馴染(なじ)みすぎて、「これじゃないと書けない」と思うまで愛着がわいていました。

     問題を解いているときに、手に握っている時間が最も長いのはシャープペン。もしシャープペンが単なる筆記用具以上の効力を発揮し、自分にとっての戦友となり、精神安定剤になってくれるのなら、この上なく頼もしいですよ。

     センター試験で机の上に出していいものは限られていて、シャープペン、鉛筆、鉛筆削り、消しゴム、ティッシュ、時計くらい。消しゴムやティッシュは消耗品なので、馴染むほど使えばなくなってしまい、適切ではありません。

     そういえば今回の試験から、京大では時計の使用が禁止されると発表され、話題になりましたね。最近ではアップルウォッチのような高性能の腕時計が存在するため、カンニングを完全に防ぐための予防策でしょう。きっと今後は、腕時計持ち込み禁止の大学がもっと増えるだろうと思います。

     私も本番では、高校に毎日つけていった腕時計を使いました。安物でしたが、使った長さの分だけやはり愛着がありました。本番当日、教室に入るまでどこにかかっているかも分からない大学の時計より、自分に馴染む時計の方が、ずっと気持ちを和らげてくれるはず。手首にはめた冷たい腕時計の感触から、そんなことを思いました。

     ただ、時計は自分のものが使えなくなったとしても、試験中の時間のコントロールは、「自分流」にいくらでも事前に対策できます。

     さあ皆さん、今回紹介した方法を使って、ぜひとも試験を頑張ってくださいね。

    プロフィル
    杉山奈津子
     静岡市生まれ。東京大学薬学部卒業。作家、イラストレーター。大学卒業後、ウツによりしばらく実家で休養。厚生労働省官轄医療財団を経た後、現在、講演・執筆など医療の啓発活動に努める。著書に 『精選版 偏差値29からの東大合格法』(中公新書ラクレ) など多数。


    2016年01月07日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun