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    子育て・生活・文化

    正月を知らない子どもたち…貧困がもたらす国の損失

    立教大学教授 湯澤直美
     17歳以下のおよそ6人に1人が貧困の状況にあり、その割合は増え続けているという。このまま放置すれば、大きな経済的損失を日本にもたらすとする報告書が発表された。貧困状態に置かれ、孤立しがちな子どもたちへの支援は、人道的な理由からだけでなく、将来の国の経済や財政にとっても不可欠だ。子どもの貧困を研究する湯澤教授に寄稿してもらった。

    「年越し」にも格差

    • 貧困家庭の子どもたちが支援団体の大人たちと食卓を囲む(大阪子どもの貧困アクショングループ提供)
      貧困家庭の子どもたちが支援団体の大人たちと食卓を囲む(大阪子どもの貧困アクショングループ提供)

     2016年の新しい年を迎えた。子どもたちにとっては、クリスマス会、大晦日(みそか)、お正月などイベント続きの冬休みを過ごす時期である。しかし、「おめでとう」の言葉が行きかうこの時期に、しんどい思いをする子どもたちがいる。

     「何年もクリスマスケーキを食べたことがない」「お年玉はない」「友だちと遊びに行く交通費もない」「家の中は十分な暖房がない」。そのような子どもたちのなかには、いつもお(なか)をすかせている子どもも少なくない。

     これは、現代の日本の話である。

     むろん、苦しいのは子どもばかりではない。生活費・教育費のために働く親たちは、非正規から正規への転職もままならず、少しでも時給の高い夜間や日曜・祝日に働かざるを得ない。夜間は子どものみで過ごす「ひとり暮らし児童」ともいわれる状況になりやすい。子どものための労働が、子どもと過ごす時間を奪う悪循環。保護者の苦悩は計り知れない。

    2016年01月15日 10時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun