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    スクールデイズ

    人生教えてくれたラグビー…玉塚元一さん

    聞き手・飯田達人

    ローソン社長

    • 繁田統央撮影
      繁田統央撮影

     小学校3年から6年まで担任だった当時50歳代ぐらいの男の先生から、自分に暗示をかける方法を教わりました。例えば夏に冷房のない教室で、目をつぶって5分間ほど「暑くない、暑くない」と、先生と一緒に唱和するんです。勉強が難しくなると、「必ずできる。必ずできる」と繰り返します。先生は「自律神経訓練法」と名付け、頻繁にしていました。

     中学から部活でラグビーを始めたのは「強くなりたい」と思ったからです。あえて一番激しいスポーツを選びました。ポジションはフランカー。中学時代の練習はまだ楽しかったのですが、高校は練習もきつくなりました。そんなときは、無意識のうちに「必ずやり遂げる」「絶対に負けない」と自分に言い聞かせていました。「訓練法」のおかげです。

     慶応大に進むと、練習のきつさは半端じゃありませんでした。4~5時間の練習の後、追加で腕立て伏せや腹筋運動を嫌というほどさせられました。

     極め付きが3週間にわたる夏の山中湖合宿です。早朝、午前、午後と毎日計8時間ほどしごかれ、あまりにもきつくて、気を失ったことも何度もありました。

     けがもたくさんしました。肋骨ろっこつや鎖骨、鼻の骨を折り、頭は延べ40針以上縫いました。

     大学3年の時、上田昭夫さん(昨年死去)が監督になり、上田さんと共に来た当時30、40歳代のコーチ陣から、リーダーシップやチームワークなどいろんなことを学びました。ラグビーだけでなく、人生を教えてもらったという思いです。

     一つのことをとことん、本気でやることで、達成感や悔しさを感じ、本物の学びができると思います。今は社長として、寝ても覚めても会社が1ミリでもよくなることを考え続け、行動しています。本気でとことんやるラグビーから学んだことは計り知れないですね。(聞き手・飯田達人)

    プロフィル
    たまつか・げんいち
     1962年、東京生まれ。慶応大4年生の時、ラグビーの大学選手権で準優勝。旭硝子勤務を経て、98年にユニクロを展開するファーストリテイリングに入社し、2002年から05年まで社長。10年にローソン顧問に就任し、14年から社長。

     (2016年1月21日付読売新聞朝刊掲載)

    2016年01月25日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun