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    海外の教育

    「教育」でも先進国を猛追する中国の本気度

    科学ジャーナリスト・馬場錬成
     10年後、中国の「教育力」は日本を抜き去る可能性がある――。急激な経済成長をバネに、 莫大 ( ばくだい ) な国家予算を湯水のように教育分野へ注ぎ込む中国。中央政府の有無を言わせぬ剛腕によって、世界と戦えるトップエリート養成から初中等教育の学校間格差是正まで、教育改革を同時並行かつ一気 呵成 ( かせい ) に進めてきた。『大村智物語―ノーベル賞への歩み』(中央公論新社)などの著書があり、中国の教育事情にも詳しい読売新聞元論説委員の馬場錬成氏が「中国の本気度」を報告する。

    • 中国の授業風景(写真はイメージ)
      中国の授業風景(写真はイメージ)

     中国の教育現場は巨大なエネルギーを内包して、先進国型へと急変している。中国政府は、教育こそ立国の基盤になるとの方針を強力に推進しており、都市と地方の教育格差の解消策と同時進行で、理系・イノベーション人材のエリート速成策もダイナミックに展開している。教育にかける国民の熱気が沸騰しており、10年後、中国の教育レベルは間違いなく先進国の一角に食い込んでくるだろう。

    二大課題を同時進行で強力に進める

     中国政府が教育施策に本格的に取り組んできたのは、21世紀になってからである。国の発展には教育が最重要課題であることをことあるごとに国民に訴え、重点的に予算配分をしてきた。

     教育費の国家予算は長い間、GDPの2%前後だったが、2000年以降増額に転じており、12年には4%を超え、その後も増加している。ちなみに10年の日本は3.6%であり、先進国は5%を超えている。

     中国は義務教育に予算を重点配分しており、グラフで見るように、小・中学校の教育予算は、近年、急進的に右肩上がりになっている。グラフは名目値だが実質値もほぼ同じである。

    小学校の児童1人当たりの教育予算の推移

    • 出典:中国・国家統計局「全国教育経費執行状況統計公告」(1996-2010)
      出典:中国・国家統計局「全国教育経費執行状況統計公告」(1996-2010)

    中学校の生徒1人当たりの教育予算の推移

    • 出典:中国・国家統計局「全国教育経費執行状況統計公告」(1996-2010)
      出典:中国・国家統計局「全国教育経費執行状況統計公告」(1996-2010)

     

    2016年01月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun