文字サイズ
    学校、受験など教育に関する掘り下げた記事をタイトルごとに掲載します。
    子育て・生活・文化

    子どもでも実践できる!怒りのコントロール方法

    日本アンガーマネジメント協会 北海道支部長 長縄 史子
     きょうだいや同級生などでズルをされたとか、仲間はずれにされたとか、いじわるをされたとか……子ども同士の 些細 ( ささい ) なトラブルがいじめに発展することもある。小学生のうちから怒りをコントロールするスキルを身につけることで、子ども同士のトラブルを未然に回避することができるのではないだろうか。親から子へ伝えるアンガーマネジメントの手法を「イラスト版子どものアンガーマネジメント--怒りをコントロールする43のスキル」の共著者である、日本アンガーマネジメント協会 北海道支部長の長縄史子さんに指南してもらった。

    「曲がったへそ」を元に戻す

     「お兄ちゃんが、たたいた!」「学校であっちゃんにイヤなことされた!」

     きょうだいげんかや子ども同士のいざこざ、どうされていますか?

     「後で話を聞くから、ちょっと待って」「お兄ちゃんなんだからガマンして」「あなたが何かしたんじゃないの?」

     その結果、子どもはぷぃっ!とへそを曲げ、「パパなんか知らない!」「ママにはもう話さない!」――そう言われてしまったことがあるお父さん、お母さん、安心してください。アンガーマネジメントを使って、子どもが怒りの感情に振り回されることなくコントロールしていける方法を今日から教えることができますよ。

    (1)アンガーマネジメントとは

     アンガーは怒り、マネジメントは「後悔しないよう、怒りと上手に付き合うこと」と定義づけています(日本アンガーマネジメント協会)。

     怒ったときに言い過ぎて後悔をしたり、あのときやっぱり言えば良かったと後悔したりすることはありませんか? アンガーマネジメントは、怒らなくなる方法ではありません。怒ってもいいんです。怒ることと怒らなくて良いことの間にしっかりと線引きをし、後悔しない怒り方ができるようになるのがアンガーマネジメントです。

     もともと、アンガーマネジメントは1970年代にアメリカで誕生した心理教育であり、心理トレーニングを意味します。ビジネスパーソンやスポーツ選手、司法分野など様々な分野で取り入れられているほか、ペアレンティング(子育て法)やソーシャル・ライフスキル(社会の中で人との付き合いを円滑にし、共に生活するための技能)として、家庭や学校でも活用されています。

    (2)怒りのメカニズムについて

     怒りは瞬間湯沸かし器のように、急に湧いてくると思っていませんか? 実は違います。

     怒りは第2次感情といわれています。ひとりひとりに心のコップがあるとイメージしてみてください。そのコップに「不安だなぁ」、「つらいなぁ」、「イヤだなぁ」、「不満だなぁ」、そんなネガティブな感情(第1次感情)がたまってあふれると怒りになります。怒りの裏には、本当の気持ちが隠されているのです。

     「イヤだということ、わかって!」「不安なこと、どうしてわかってくれないの!」――実は気持ちをわかってほしくて怒っていることはありませんか? 感情に良いも悪いもありません。本当の気持ちに気づき、寄り添うことができたら、怒りを爆発させずにすむことがあるのです。

     怒りが生まれるまでには、段階があります。怒る人と怒らない人の違いは、ズバリ考え方の違いです。

     怒りは誰かのせい、何かのせいにしたくなったとしても、怒りを感じているのは本人。怒ってすぐにどなったり、たたいたりしてしまう場合には、「行動」を変えて人や物にあたらない怒り方ができるようになっていきます。「考え方」を変えることで怒りにくくなることもできます。怒りの火を大きくするのも消すのも本人次第なのです。

     上記図表は、人が「怒り」を感じるメカニズムの一例です。Aさん、Bさんともに第1段階の「友達がぶつかってきた」という“事実”は同じですが、第2段階の“出来事の捉え方”、第3段階の“考え方”が異なるため、最終的に怒りの感情の有無に差異が生まれます。

     ぜひ、“第1感情に目を向けること”、怒りは“考え方”によって発生することを覚えておいていただきたいです。

     

     

    2016年02月29日 18時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun