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    スクールデイズ

    料理に熱中 道は開けた…SHIORIさん

    聞き手・高山千香

    料理家

    • SHIORIさん(池谷美帆撮影)
      SHIORIさん(池谷美帆撮影)

     子どもの頃から負けず嫌いで、好きなことにはとことん熱中するタイプでした。

     小学校低学年の時、生活科の時間に、レタスをちぎってツナとコーンをのせただけのサラダを作ったのが、私の料理の原体験。自宅で再現したら父が「おいしい」と言ってくれてとてもうれしかった。それからは自宅で料理するようになって、高学年の時には親子丼、から揚げなどを作れるようになりました。

     中学時代に猛勉強して、地元の進学校・埼玉県立熊谷女子高に合格しました。でも入学後は、最初のテストで下から数えた方が早い成績を取ってしまうなど、レベルの高さについていけず、勉強には力が入らなくなりました。

     代わりにのめり込んだのが弁当作りです。当時つきあっていた彼が褒めてくれたのがきっかけでした。エビフライや野菜の肉巻き入りの弁当を2時間ぐらいかけて作っていました。自分の分の弁当を同級生が見て、「すごいね。どうやって作るの」と聞かれたこともあります。

     熊谷女子高には、「頑張ることは恥ずかしくない」「出るくいは打たれない」という精神が根付いていました。私が勉強でなく料理に熱中しても、誰からもとがめられませんでした。

     体育祭や文化祭も熱心に取り組む校風で、3年生の体育祭では、9グループ対抗のダンス合戦で私が振り付けなどを考えて踊ったチームが優勝したのが最高の思い出です。

     短大時代は、将来の進路が見つからず悩みました。自分の好きなことを考えた時に、よみがえったのが高校の時の弁当づくりです。

     卒業後、料理を仕事にすると決めてから、がむしゃらに頑張れたのも「熊女くまおんな」(熊谷女子高の生徒)の精神があったから。料理の本を初めて出版したとき、高校1、2年生の担任だった先生がエプロンを贈ってくれました。

     成績が悪く心配をかけたけれど、ずっと見守っていてくれたんですね。学校時代に、勉強が苦手で悩んでいる人もいると思いますが、自分が楽しめるものを大事に育てていけば道は開けると伝えたいです。(聞き手・高山千香)

    プロフィル
    しおり
     1984年、埼玉県生まれ。東京家政大学短期大学部卒業後、料理家のアシスタントを経て独立。「作ってあげたい彼ごはん」(宝島社)シリーズは累計で約375万部のベストセラーに。近著は「SHIORIの毎日和食」(同)。

    (2016年3月24日付読売新聞朝刊掲載)

    2016年03月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun