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    スクールデイズ

    「負けず嫌い」で道開く…香川愛生さん

    聞き手・泉田友紀

    女流棋士

    • 香川愛生さん(杉本昌大撮影)
      香川愛生さん(杉本昌大撮影)

     体育の持久走は苦手なのに、バスケットボールやバレーボールなど、対戦型のスポーツやゲームが好きな子どもでした。

     東京の公立小学校に通っていた9歳のころ、休み時間中の教室で、クラスメートの男の子が将棋の駒を並べているのを偶然、見かけました。

     別の友達と対局する準備をしていたのですが、私はどうしてもやってみたくなり、「相手になってほしい」とお願いしました。彼に教えてもらうまでルールも知らなかった私は、もちろん惨敗。でも、負けず嫌いな性格なので、これが将棋を習うきっかけになりました。

     近所の将棋教室に通って腕を磨き、小学校高学年になると、私が飛車角落ちでも学校の将棋クラブの先生に負けない実力がつきました。

     進学した公立中学校では、自分で将棋部を作り、同級生らに教えていました。ただ、勉強はおろそかになりがち。高校受験を意識した3年生の夏、第1志望の都立高校の合格が難しいとわかると、「負けず嫌い」がまた目を覚ましました。将棋では女流プロになった年でしたが、必死に受験勉強を続けました。学校の定期試験の平均点数が、1科目あたり20~30点上がって、先生はびっくり。志望校にも無事合格できました。

     大学は、京都の立命館大文学部に進学しました。高校時代に男女の区別のないプロ棋士を目指し、養成機関に入りましたが、途中で限界を感じ、女流プロに戻りました。そのため、「東京を離れ、自分を鍛え直そう」と考えたのです。

     大学では、相手に自分の考えを正確に伝える言語コミュニケーションを専攻しています。これまで将棋を通し、世代も環境も違う、様々な人たちに出会ってきました。卒業を控え、将棋とコミュニケーションをテーマにした卒論を書けないか、考えています。(聞き手・泉田友紀)

    プロフィル
    かがわ・まなお
     1993年、東京生まれ。2005年、小学6年生で女流アマ名人戦に出場し優勝。08年、中学3年生で女流プロ棋士に。13、14年、女流王将を2年連続で獲得。立命館大学在学中。

     (2016年6月23日付読売新聞朝刊掲載)

    2016年06月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun