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    子育て・生活・文化

    お父さんが知らない、妻がPTAを嫌がる三つの理由

    ライター 大塚玲子

    嫌われる理由を解決できたPTAも

    • ハッピーなPTAにするには(写真はイメージ)
      ハッピーなPTAにするには(写真はイメージ)

     以上のような要因から忌み嫌われてきたPTAですが、最近では、組織や運営方法を見直して問題点を改善するケースも、徐々に増えつつあります。

     たとえば、東京都大田区立嶺町小学校PTO(Parent-Teacher-Organization、学校応援団)。みんなが嫌々やるPTAを、もっと「ハッピーなもの」に変えようと、3年前から強制的な運営をやめ、会員の自主性にもとづく“ボランティア制”に切り替えました。

     総会や入学式のときには、PTOがどんな目的で、どんなふうに活動をしているかといったことをフォトムービー(音楽付き)で紹介します。子どもたちや保護者の笑顔がたくさん出てくる楽しい雰囲気のムービーなので、これを流したあとに「委員長決め」をすると、自分から「やります」という人が出てきやすいそうです。「たったそれだけで?」と思うかもしれません。でも、実はこういった小さな工夫が、PTAを変えるきっかけになるのです。

     また、よくある委員会制ではなく、米国のPTAのように会員が自分で参加したい活動を選んでボランティア登録する形にしたので、強制感ややらされ感もありません。それぞれの保護者が、自分の都合に合う時間帯に行われる活動を選んで参加できるので、負担感も少なくなり、楽しんで活動する人が増えたとのこと。

     「やらないほうが損」という状態のため、自動加入方式をやめたいまも、全家庭が加入しているそうです。

     他のPTAでも、ここまで大きくやり方を変えないまでも、「活動を丁寧に説明することで、役員がすぐ決まるようになった」という話は、しばしば耳にします。

     たとえば「広報委員会は、PTA活動の広報活動をします。7月頭と3月頭に広報紙を発行します。6月と2月の水曜日19時から、計8回集まります」とか、「選考委員会は、PTA本部役員を選出する係です。9~12月の土曜10時に活動します。9~10月は月1回程度、11月後半~12月中旬は毎週集まります」といったように、参加者にとって必要な情報を詳細に提示することで、みんな自分から手を挙げやすくなるのです。

     「以前、本部役員の活動内容を細かく資料にして配布して、丁寧に声かけをしたら、その年は全部、立候補だけで決まりました」(東京都公立小学校PTAの元副会長T子さん)という声もありました。

     活動の時間帯についても、平日日中ではなく「平日夜か土曜日」が中心のところも増えてきました。東京都公立小学校PTAの元副会長Nさんからは、こんな声も。

     「うちのPTA役員会も数年前から夜や土日にシフトしたので、フルタイム勤務の私も、有休を使わずに参加できるようになって、ほっとしました。学校は何でも前例がないとやりたがらないので、『近隣のPTAではこうやっているみたいです。うちでもできませんか?』というふうに話をもっていくといいかもしれません」

     一方で地方は、都市部に比べて両親共に勤めに出ている「共稼ぎ」家庭が多く専業主婦が少ないうえ、児童数も少ない小規模校が多いという事情があります。そのため、平日日中ではだいぶ前から活動がまわらなくなっており、「とっくの昔から、夜や土曜日に活動しています」というところも多いようです。

     都市部でも、これからますます「共稼ぎ」世帯が増えることは確実ですから、同様の状況になっていくでしょう。

     また最近は、PTAの自動加入方式が違法であることも知られるようになり、「入会申込書」を集める、任意加入方式の合法PTAも増えてきました。

     自動加入方式であれば、PTAがどんな運営をしても加入者が減る心配はないため、問題点が放置されがちになります。任意加入になれば、まともな運営をしないと会員が減ってしまう危機感から、PTAが積極的に問題改善に取り組む効果も期待できるでしょう。

     少しずつではありますが、いまPTAは、変わり始めているように思います。

     

    プロフィル
    大塚 玲子( おおつか・れいこ
     編集者、ライター。千葉県出身、在住。主なテーマは「PTA」と「いろんな形の家族」。各種媒体に記事を執筆するかたわら、各地で講演を行う。テレビ、ラジオ出演多数。現在は子どもが通う中学校のPTAで活動している。著書は『PTAをけっこうラクにたのしくする本』(太郎次郎社エディタス、2014年)、『オトナ婚です、わたしたち』(同、2013年)。『PTAがやっぱりコワイ人のための本(仮題)』(太郎次郎社エディタス)が2016年7月に発売予定。 OH事務所



    2016年06月27日 09時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun