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    学校 モノ・風景

    苦手な子も楽しめる工夫…ドッジボール

    読売新聞教育部 金来ひろみ

     「休み時間の人気の遊び。体が小さかった私は、ボールを捕りも投げもせず、コートの中を逃げ回っていた」。大阪府岸和田市のパート山元正美さん(52)が、小学校時代の思い出をはがきに書いてくれた。体育の授業や休み時間にドッジボールを楽しむ子どもは今も多い。

     日本ドッジボール協会(東京)によると、ドッジボールの原型はアメリカで行われていた「デッドボール」という球技。円形のコートの外から、攻撃側が中にいる相手方にボールを当てるゲームだ。明治末期の1909年に「円形デッドボール」の名称で日本に紹介され、大正初期の13年、授業で教える内容を定めた「学校体操教授要目」に載った。17年頃から四角いコートが普及、26年、学校体育の指導者で、東京高等師範学校(現筑波大)の大谷武一教授が提唱し、ドッジボールと呼ばれるようになった。「ドッジ」は英語で「さっと身をかわす」という意味だ。

     人気がある一方で、「ボールに当たると痛い」などの理由で苦手な子も少なくない。栃木県鹿沼市の会社員柴原久美子さん(49)は「得意な子は苦手な子を助けてあげて」とメールを送ってくれた。「小学校の頃、同じクラスの男の子がわざとボールを受け損なってくれたのがうれしく、それから毎日参加した」

     ドッジボールを製造するミカサ(本社・広島市)執行役員の矢田部隆博さん(51)によると、「ボールを投げたり、受け止めたりするのが苦手な子が増えており、教員はどう楽しませるか苦心しているようだ」という。

     痛くないボールをとの要望は常にあり、同社のボールも昔より軽く、軟らかくなっている。表面をスポンジで覆ったボールもあり、徐々に普及している。

     このところ人気なのが、ボールの代わりにウレタンの円盤を使う「ドッヂビー」だ。東京都千代田区では、校舎などを使った「放課後子ども教室」に取り入れている。指導する日本ドッヂビー協会(東京)代表理事の稲垣敬雄さん(52)は「けがの心配がなく、スポーツが苦手な子も年齢の異なる子も一緒に楽しめる」と魅力を語った。

     「学校 モノ・風景」では学校生活を彩るモノや行事を通し、教室や子どもの暮らしの変遷をたどります。今後「絵日記」「自由研究」などを取り上げます。エピソードに氏名、連絡先を添え下記の宛先へお寄せ下さい。
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    2016年07月12日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun