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    スクールデイズ

    何にでも好奇心持ち吸収…武田双雲さん

    聞き手・沢井友宏

    書道家

    • 武田双雲さん
      武田双雲さん

     幼いころから、書道家の母(武田双葉さん)に習字の指導を受けていました。そのせいか、小学校に入学すると、他人がどんな字を書くのか気になって、同級生のノートを破いてもらったり、担任の先生に字を書いてもらったりして、手書きの文字を集めていました。

     特に、私の名字が「武田」なので、平仮名の「た」に愛着がありました。集めた字の中には、キリンのように縦長の「た」もあれば、全体がふっくらとした形の「た」もあって、面白く感じました。

     字のほかにも、関心を持つと何でも理由などを知りたがるので、周囲には変わった子だと思われていたようです。

     でも、中には、「君の個性は素晴らしい。質問することは大事だ」などとほめてくれる先生もいて、自信につながりました。

     両親も、押しつけではなく、水泳や少林寺拳法など私がやりたいことを尊重し、自由に経験させてくれました。特に夢中になったのが宇宙です。天文台の望遠鏡で土星などを観測し、地球より大きい惑星があることなどを知ってわくわくしたものです。

     中学、高校でも、私の関心は物理など理科系の分野が中心でした。学校では「風が頬に当たる瞬間に、そこではどんな現象が起きているのでしょうか」などと、先生を質問攻めにしていました。

     東京理科大に進学し、暗号の仕組みを研究しました。卒業後、当時のNTTに就職。やがて社内で「字がうまい」と評判になり、今の道を歩むきっかけとなりました。会社の先輩に頼まれて筆書きの名刺を作ったら大変喜ばれ、もっと喜ぶ人の顔が見たいと思い、書道家として独立したのです。

     筆を両手で持ったり、文字を裏返して書いたりと、様々なアイデアが浮かび続けるのは、何にでも好奇心を持ち、吸収できた学校時代のおかげです。それを認める人がいなければ、今の自分はなかったでしょう。書道教室などを通して子どもたちと接していると、私も彼らの個性を大切にしていきたいと思っています。(聞き手・沢井友宏)

    プロフィル
    たけだ・そううん
     1975年、熊本県生まれ。東京理科大卒。約3年間の会社勤務を経て独立。路上で文字を書く「ストリート書道」、音楽家や彫刻家との共作など独自の創作活動で注目を集める。生き方をテーマにした本なども執筆。
    2016年07月18日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun