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    東大のアジア大学ランキング首位陥落の衝撃

    東京大学文学部4年 東京大学新聞記者 井手佑翼
     イギリスの教育専門誌が発表した最新のアジア大学ランキングで、昨年まで3年連続首位だった東大が7位に陥落した。順位を押し下げた要因の一つは、学生と教員の国際性が大きく低下したこととされる。東大に求められるものは何なのか。今年のランキングで首位の座についたシンガポール国立大学(NUS)への留学経験を持つ、東京大学文学部4年で東京大学新聞記者の井手佑翼氏が比較分析する。

    トップはシンガポール国立大に

    • 首位をNUSに譲り渡した東大(画像はイメージです)
      首位をNUSに譲り渡した東大(画像はイメージです)

     6月21日、イギリスの教育専門誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)」が、最新のアジア大学ランキングを発表した。このランキングで、昨年まで3年連続で1位だった東京大学は7位に後退し、首位の座をシンガポール国立大学(NUS)に譲り渡した。

     THE誌のランキングでは、教育や研究など5項目が最大100点で評価される。東大は、収入や研究といった項目ではNUSと拮抗(きっこう)し、教育では10ポイント近く上回った。しかし、「引用(研究の影響力=論文の引用回数など)」と「国際性(スタッフ、学生および研究)」の2項目では、NUSに大きく水をあけられ、特に国際性では60ポイント以上の差をつけられる結果となった。

     2位の北京大学(中国)や4位の香港大学との比較でも、この2項目は東大が後を追う形になっている。国際性の分野を中心に、東大がランキングで苦戦し始めたことが、明らかになりつつある。

     こうした大学ランキングにおいて東大の凋落(ちょうらく)傾向が示されるのは、今回が初めてではない。今回のアジア大学ランキングとは別に、THE誌が昨年10月に発表した世界大学ランキングでは、東大が43位だったのに対しNUSは26位だった。イギリスの教育機関クアクアレリ・シモンズ(QS)社が6月14日に発表したアジア大学ランキングでも、上位に並んだのはシンガポールや香港、中国、韓国の大学で、日本勢は最高の東大でも13位という結果だった。

    東大生の97%は日本人

     筆者は東大の学生だが、2014年8月から約10か月にわたってNUSに交換留学した。そこで、実際に両校で教育を受けた一人の文系学生という立場から、国際性という観点に注目して東大とNUSを比較してみたい。

     東大が5月に発表した統計によると、今年度、東大に在籍する1万4047人の学部生(大学1~4年)のうち、外国人留学生は444人で全体の3.2%にとどまっている。大学院では、この比率は19.9%に高まるが、学部で卒業する学生であれば、留学生とほとんど関わることなく卒業することも珍しくない。教員についても、「大学改革支援・学位授与機構」の統計によると、15年5月時点で外国人教員・研究者の割合は全体の8.9%に過ぎなかった。

     つまり、東大は8割以上の学生・教員が日本人によって構成される大学であり、現状では国際性に富んでいるとは言い難い。

    2016年08月02日 12時12分 Copyright © The Yomiuri Shimbun