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    スクールデイズ

    足と人脈で広げた知の世界…佐藤たまきさん

    聞き手・伊藤史彦

    古生物学者

    • 繁田統央撮影
      繁田統央撮影

     幼稚園のころ、祖母や母に恐竜図鑑など古生物をテーマにした書籍をたくさん買ってもらって熱心に読んだり、恐竜のおもちゃで遊んだりしていました。私が生まれる4年前、首長竜のフタバスズキリュウの化石が見つかっており、その発見秘話を描いた漫画も、わくわくしながら読んだ記憶があります。

     幼稚園の卒園文集には「将来は恐竜博物館の科学者になりたい」と書きました。二十数年後、フタバスズキリュウの研究に携わることになり、「ここまではるばると来たなあ」と感慨を深くしたものです。

     小学校から高校までは古生物とのかかわりはあまりなく高校時代は、英語や国語、日本史が得意で数学と物理が大の苦手。文系タイプでしたが古生物の研究者になりたい思いは変わりませんでした。受験勉強に励み東京大学の理科2類に進学しました。

     東大では新入生は全員、教養学部に所属し、3年生から各学部に分かれて専門分野を学びます。でも、それが待てない私は、入学してすぐ、古生物学が専門の浜田隆士先生(2011年死去)の研究室を訪ね、「古生物学を学びたい」とお願いしました。

     浜田先生は、古生物学を含む自然史全般に幅広い学識があり、専門分野の壁を越えた人材を受け入れる懐の大きな先生でした。浜田先生は、自分を慕う学生たちの勉強会に私を入れてくださいました。

     勉強会には、地学や獣医学など様々な分野が専門の大学院生が集まっていました。参加者からの情報や紹介で、私は、解剖学の英文教科書の輪読会に参加したり、化石の発掘に行ったりしました。

     インターネットがなく、情報は自分の足や人脈で集めるしかない時代。学ぶ世界がどんどん広がっていく喜びを感じることができました。

     今は教える側にもなり、学生たちには「好きなことを学びなさい」と話しています。学ぶ自由を与えられているのですから、自分からすすんで世界を広げてほしいですね。(聞き手・伊藤史彦)

     

    プロフィル
    さとう・たまき
     1972年、東京生まれ。東京大学で古生物学を専攻し、カナダ・カルガリー大学で博士号を取得。首長竜のフタバスズキリュウが新種であることを2006年に発表した業績などが評価され、今年4月、女性科学者に贈られる「猿橋賞」を受賞。東京学芸大学准教授。
    2016年08月15日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun