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    「意外と楽しい!」PTAにハマる夫、いら立つ妻

    ライター 大塚玲子

     「大変そう」「やりたくない」――。保護者の間で、あまり良いイメージを持たれることがない「PTA」。前回「 お父さんが知らない、妻がPTAを嫌がる三つの理由 」では、母親がPTA活動を嫌がる理由について、『PTAがやっぱりコワい人のための本』などの著書もあるライターの大塚玲子さんにひも解いてもらった。一方で、父親がPTAに参加してみると「意外と楽しい」という声が多いという。なぜ夫婦でPTAに対する評価が正反対になるのか。大塚さんに解説してもらった。

    お父さんの参加が増えてきた!

    • PTA活動を楽しむ男性が多いという(写真はイメージ)
      PTA活動を楽しむ男性が多いという(写真はイメージ)

     入学式や運動会、卒業式など、学校行事でお父さんを見かけることが昔と比べてずいぶん多くなりました。われわれ保護者世代が子どものころは、学校にやってくるのは母親ばかりでしたから、世の中は変わってきたのだなぁと実感させられます。

     PTAなど学校まわりのボランティア参加者の男女比も、徐々に変化しているようです。学校行事と比べれば、まだまだお母さんの比率が高いですが、それでも昔よりはだいぶ、お父さんを見かける機会が増えていると感じます。

     そういった活動に参加するお父さんたちは、お母さんたちと比べると、意外と楽しそうに見えます。前回も書いたとおり、母親たちはPTA活動を嫌っていることが多いのですが、父親たちはそうでもありません。母親たちのような「いやいや感」を抱くことなく、わりあいナチュラルな感覚で参加しているようです。

    「やってみたら楽しかった」という父親たち

     たとえば、東京都の区立小学校でPTA会長を5年務める会社員の渡辺二朗さん(48)。最初に会長を頼まれたときは気が進まなかったそうですが、「やってみたら楽しかった」と言います。

     「最初は正直、自分の子どものことしか興味がなかったんだけど、会長をやってるうちに、だんだん子どもたちみんなへの情が湧いてくるんだよね。

     夏休みのラジオ体操なんかを、俺が前に立って毎朝やるじゃない。そうすると、俺が間違えると、子どもたちもみんな間違えるの(笑)。そういうのを見ているうちに、だんだんよその子どもたちも、みんなかわいくなってきた。だから、楽しいですよ」

     もちろん、会長の仕事はめんどうなこともあります。つらい立場に立つこともあるのですが、渡辺さんはそれほど負担には感じていない様子です。

     同じ区立小学校PTA会長で会社経営のAさん(41)も同様です。会長は行事などで「挨拶(あいさつ)」を求められることがしばしばあり、最初は戸惑いましたが、いまは人前でしゃべるのにも慣れ、そのことが仕事の営業にも役立っているそうです。「面白いし、ためになることはホントに多いですよ」とAさんは言います。

     会長だけではありません。埼玉県の公立小学校PTAで、広報部の委員長を務める文筆家の小寺信良さん(52)も「PTA活動は、僕にとってメリットしかありません」と言い切ります。

     「僕はひとり親で娘がいるんですが、子育てのことで何か聞きたいことがあるときは、まわりのお母さんたちに聞くと、すぐに教えてもらえます。みんな親切なので、手が足りないときは言ってね、と声をかけてくれたりもします。PTAを『嫌なもの』と感じたことは、僕は一度もないですね」

     最近増えている「おやじの会」(父親がメインの保護者組織)も同様です。運動会やお祭りの準備など、学校行事の力仕事をやったあとにみんなで飲みに行く、といった活動内容が多いのですが、イヤイヤやっている人はまずいません。それどころか「楽しくてたまらない」といった様子のお父さんをしばしば見かけます。

     こんなふうに父親たちは、PTA等の活動を楽しんでいることが多いのです。もちろん全員ではありませんが、母親たちのように、内心ため息をつきながら学校に向かうような人は、ほとんどいないようです。

     これは、とてもいいことのように思えます。これまで母親が主に担ってきた育児や学校・地域関連の活動をお父さんもやるようになれば、お母さんたちもラクになっていくでしょう。お父さん自身もそれが楽しいのですから、「いいことずくめじゃないの!」と皆さんも思われるかもしれません。でも……。

    2016年09月28日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun