<速報> 自民が単独過半数、立憲民主は躍進
    
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    スクールデイズ

    迷いながら見つけた答え…田渕久美子さん

    聞き手・森洋一郎

    作家・脚本家

    • 田渕久美子さん(奥西義和撮影)
      田渕久美子さん(奥西義和撮影)

     島根県益田市に高校卒業まで暮らしました。小学生の頃から読書が好きで、吉行淳之介さんや立原正秋さんの作品など子どもには難しい内容でも、文字を目で追うだけで幸せな気分になっていました。

     ただ、文章を書くことには苦手意識がありました。県立益田高校時代、夏休みの課題で、原爆で被爆した20代前半の男性がつづった詩集の感想文を書きました。これを大手出版社の全国コンクールに学校が応募したら4位入賞。それでも、作文を好きにはなれませんでした。

     高校では創作ダンスに熱中しました。ダンス部に所属し、部長だった3年生の時、仏教の世界を表現した演目が県大会で入賞したのは最高の思い出です。振り付けや音楽、全体の構成などを部員同士がアイデアをぶつけ合って決めました。私の母は、6人いた全部員の衣装を作ってくれました。

     高校卒業後、ダンスの振り付けを学ぼうと東京の体育大学に進学しましたが、小さいころからあった文学への興味が尽きず半年で中退。共立女子短大に入学し直しました。

     短大では、日本文学を学び、江戸時代の川柳集「誹風柳多留はいふうやなぎだる」に、はまりました。遠い昔、人々が何を感じ、どう生きていたのか、過去との出会いに胸が躍り、とても面白かった。ものを書き残すことの意義、大切さに気づかせてくれ、「私も書く仕事をしてみたい」と考えるようになりました。

     振り返ると、子どもの頃からずっと、テレビでドラマを見ても、出演者より、誰が書いたのだろうかと作者にばかり注目していました。

     短大卒業後、会社勤めをしながら脚本家を目指し、25歳の時、シナリオ学校に入りました。半年の課程でしたが、卒業作品を映画監督で脚本家の新藤兼人先生に高く評価していただき、幸いにも2作目でプロデビューしました。

     進路に迷うこともあった学校時代を経て、遅まきながらやりたいことが見つかりました。今は、書くことに喜びを感じています。(聞き手・森洋一郎)

    プロフィル
    たぶち・くみこ
     1959年、島根県生まれ。出版社勤務などを経て26歳で脚本家デビュー。NHK大河ドラマ「篤姫」「江~姫たちの戦国」など前向きに生きる女性を描いた作品を多数手がける。今年10月、豊臣秀吉の正妻が主人公の小説「おね」(NHK出版)を刊行。

    (2016年12月15日付読売新聞朝刊掲載)

    2016年12月26日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun