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    ことばの限界に挑む!国語辞典の熱過ぎる舞台裏

    国立国語研究所准教授 柏野和佳子
     “検索万能”のデジタル時代。「しばらく辞書を引いていない」という人が多いかもしれない。だが、それは少々もったいない。ヒット小説「舟を編む」などで描かれたように、辞書は編者たちが知恵を絞りに絞って完成させた知識の集大成だ。言葉の意味だけでなく、編者の熱い思いも読み取れるという。そんな辞書の魅力を、国語辞典の研究が専門の国立国語研究所・柏野和佳子准教授が紹介する。

     初めて見る言葉や意味がわからない言葉に出会ったとき、皆さんはどうしますか。パソコンやスマートフォンでこのコラムを読んでいる方なら、検索サイトで調べて納得されるかもしれません。一方で、「国語辞典(辞書)を引く」という方法もあります。国語辞典の編者たちは、言葉の正しい意味、最適な使い方を知りたいという読者の要望に応えるべく、推敲(すいこう)に推敲を重ね、工夫を凝らして辞書を作っています。その作業は、専門家にとっても簡単なものではないのです。

     ※国語辞典は初出時に最新版の出版年、出版社を記します。また、引用の際は一部を抜粋しています。

    「国語」辞典の「数学」的な一面

     数学では、用語を厳密に定義して論理を構築します。国語辞典も基本は同じです。言葉の定義やそれに近いものがあるなら、それらを使って明確にその意味を説明します。例えば、「算法」(アルゴリズム)という言葉について、「岩波国語辞典」(第7版新版、2011年、岩波書店)は次のように説明しています。

     算法

    (イ)演算手続きを指示する規則。特に、同類の問題一般に対し、有限回の基本的操作を、指示の順を追って実行すれば、解がある場合にはその解が得られ、解がない場合にはそのことが確かめられるように、はっきりと仕組んである手順。

     しかし、このように明確に説明できる言葉は、むしろ(まれ)です。そこで、しばしば、意味が似ている「類義語」に言い換えて説明するという方法がとられます。ただし、この場合に陥りやすいのが、「相互参照」になってしまうという問題です。

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    2016年12月19日 12時25分 Copyright © The Yomiuri Shimbun