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    学校 モノ・風景

    指導しやすい鍵盤型に…ハーモニカ

    読売新聞教育部 堀内佑二

     ♪ファファソソララソ ララドドレレド――。「白地に赤く日の丸染めて」。茨城県那珂市の檜山都さん(61)は約50年前の小学生の頃、ハーモニカで練習した唱歌「日の丸の旗」の音階を今もよく覚えている。「口先をすぼめないと二つの音を同時に吹いてしまい、苦労しました」とはがきを送ってくれた。

     ハーモニカの原型は1821年にドイツで発明された。大正初期からは日本でも生産され、昭和初期にかけて大流行。1917年(大正6年)から製造しているトンボ楽器製作所(東京)会長の真野泰治さん(82)によると、「合奏が盛んになり、社会人や大学生らのハーモニカバンドが全国にたくさんあった」という。

     学校教育に本格的に取り入れられたのは戦後。47年の学習指導要領(試案)で「器楽」が導入され、58年の改定で小学校低学年の楽器に位置づけられた。すると、メーカーは大忙し。55年に創業した日本教育楽器(同)社長の長谷川茂行さん(69)は「当時はメーカーがいくつもあった。うちのような小さな会社でも昭和40年代の最盛期には年間100万本作っていた」と話す。

     しかし、61年に「メロディオン」「ピアニカ」などの商品名で知られる鍵盤ハーモニカが開発されると、「鍵盤のどこを押せばどの音が出るか目に見えるため、子どもに音階を指導しやすい」と普及し、70年代以降はハーモニカに取って代わることが多くなった。

     全日本音楽教育研究会小学校部会長で、東京都練馬区立向山小学校長の早川修一さん(57)が指摘するように、「(舌の動きで音を区切る)タンギングも学べるので、小3になって習うリコーダーにつながる」利点もある。

     今年3月、大手のヤマハ(浜松市)が教育用ハーモニカの生産を終了し、学校からは次第に姿を消している。

     ただ、趣味の楽器として熟年層を中心に根強い人気があり、真野さんは「一音一音吹くのではなく、和音を奏でるのが本来の魅力。一人で伴奏も付けられ、音色も自在に変えられる。非常に面白い楽器だ」と、手元のハーモニカを鳴らした。(堀内佑二)

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    2016年12月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun