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    連載「読解力が危ない」

    読解力が危ない(3)~SNS没頭 長文読まず

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     東京都立高校3年の女子生徒(18)は通学の電車内でスマートフォンをチェックするのが日課だ。朝までに届いたLINEラインのメッセージに返信する。「友達には『了解』も『り』で済ます。

     それで通じるし、長い言葉は面倒くさい」。帰りの電車もスマホ。就寝前の午前1時からは、友達とその日の出来事などを2時間ほど報告し合う。1日の利用時間は約4時間。女子生徒は「スマホがなければ、もっと寝たり本を読んだりしてたかも」と笑う。

     SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)はスマホの普及に伴って若者らの間で急速に広まった。2008年に日本語版のサービスが始まった簡易投稿サイト「ツイッター」は140文字以内の「つぶやき」を書き込める。一方、11年に始まったLINEでは仲間内で対話型のコミュニケーションが可能だ。いずれも瞬時に短いメッセージを発信できる利点があるが、長文のやり取りには適さない面がある。

     昨年12月に公表された国際学力調査の結果では、日本の15歳の読解力は4位から8位に低下。文部科学省は原因の一つとして、スマホの普及に伴う長文を読む機会の減少を挙げた。

     スマホの利用時間が増える一方、読書量は減少している。内閣府の15年度の調査では、平日にスマホで2時間以上ネットを利用する高校生の割合は前年度比3・5ポイント増の66・8%。5時間以上使った割合も1・1ポイント増えて12・5%に上った。

     これに対し、全国学校図書館協議会(東京)によると、高校生の1か月の平均読書冊数は10年の1・9冊をピークに減少傾向が続き、16年は1・4冊となった。

     ネット依存の専門医療を提供する久里浜医療センター(神奈川県)にはスマホのゲームにはまった若者の姿も目立ち、樋口進院長(62)は「勉強や読書の時間が取れず、学力が落ちる傾向がある」と指摘する。

     認知心理学が専門の河原純一郎・北海道大特任准教授(46)の実験では、スマホがそばに置いてあるだけで、「メールが来ないか」などと気を取られ、注意力が低下することが確認された。また、脳科学者の川島隆太・東北大教授(57)がスマホを操作中の大学生約20人の脳の血流量を測定したところ、論理的な思考を行う大脳の前頭前野が「眠っているような、ボーッとした状態」になっていたという。

     川島教授は「脳が発達する18歳ぐらいまではスマホの使用を制限し、しっかりした文章を読む環境を作るべきだ」と訴えている。

    2017年02月16日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun