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    読売新聞教育部 石川純
    • 学校から配られる「家庭訪問のお知らせ」。訪ねる日時や順番の調整は一仕事だ
      学校から配られる「家庭訪問のお知らせ」。訪ねる日時や順番の調整は一仕事だ

     「まずは家中の大掃除。『勉強部屋を見せて』とおっしゃる先生もいて、私が自分の部屋を片づけることもありました。母は先生に出すお菓子を何にするか悩むなど大騒ぎでした」。山形県米沢市の主婦白石かほりさん(51)が、小学生の頃の様子をメールで教えてくれた。

     学制が実施された明治初め、子どもは労働力とみなされることが多く、1、2年で小学校を退学させて奉公に出すなど、親の教育への理解は高くなかった。

     立教大の有本真紀教授(教育社会学)によると、当時、学校はしつけを含む「家庭教育」を浸透させようと、親との懇話会などを開催。しかし、出席率が低かったため、教師が直接、家に出向くようになったという。

     明治時代の教育専門書には、親の職業や所得、貯金、入浴の回数などの把握が子どもを指導する上で重要だとするものもあり、有本教授は「学校制度が整った明治の後期、1900年以降には、広く行われるようになっていた」とみている。

     戦後の混乱期を除き、多くの学校で家庭訪問は続いたが、近年は、家の中を見られたくないという保護者への配慮や教師の多忙化などもあって簡略化したり、やめたりした学校もある。

     ベネッセが2013年、小中学生の保護者に聞いたところ、教師との面談場所として、44・6%が「居間・リビング」と答え、43・4%が「玄関先」と回答。また、保護者の7割は家庭訪問に否定的で、「学校での面談と同じ」「家の掃除など準備が大変」などの意見があった。

     一方で、家庭訪問の意義を再評価する動きも出ている。

     東京都台東区教委は15年度から、全区立小中学校に家庭訪問の実施を求めている。川崎市で15年2月、中学1年の男子生徒が殺害される事件があった際、学校と家庭との連絡が不十分だったとの指摘もあり、「家庭の状況を的確に把握するため」、1学期に、少なくとも小1と中1は行うよう促している。

     時勢によって様式は変わるものの、子どもへの適切な対応、指導をするために行う目的は変わらないようだ。(石川純)

     「学校 モノ・風景」では学校生活を彩るモノや行事を通し、教室や子どもの暮らしの変遷をたどります。今後「家庭訪問」「フォークダンス」などを取り上げます。エピソードに氏名、連絡先を添え下記の宛先へお寄せ下さい。
    (氏名、電話番号などを明記し、〒100・8055 読売新聞東京本社教育部へ。ファクス03・3217・9908.メールは kyouiku@yomiuri.com )
    2017年05月03日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun