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    学校 モノ・風景

    食文化を伝える役割も…給食

    読売新聞教育部 堀内佑二
    • 伝統的な日本の食文化を学ぶため、和食器を使った給食も行われている(東京都小平市立小平第六小学校で)
      伝統的な日本の食文化を学ぶため、和食器を使った給食も行われている(東京都小平市立小平第六小学校で)

     「授業中、教室にいい匂いが漂ってくると、今日の献立は何かなと調理員のおばさんの顔を思い浮かべました」。さいたま市の秋山和市さん(68)が約60年前の思い出をはがきで寄せてくれた。コッペパンに脱脂粉乳、おかずは鯨の竜田揚げや焼き魚が多かったという。

     学校給食は1889年(明治22年)、山形県の私立小学校で家が貧しい児童に食事を出したのが最初とされる。本格的に始まったのは戦後で、米国などの援助物資でパンを主食として広まり、1952年度からは全国の小学校で、主食、おかず、ミルクがそろった「完全給食」が実施されるようになった。

     余剰米の消費拡大を目指し、給食に米飯が正式導入されたのは76年。仕事が減る製パン業者には炊飯委託が行われた。

     千葉県八街市の農業宇野香都里かとりさん(51)はこの年、同県干潟町(現旭市)の小学5年生。町に給食センターができ、土曜日を含めて週6日、米飯になったという。「パンの給食がないのは珍しかったようです。たまにはパンが食べたいな、と思いました」とファクスにつづった。

     食生活の変化で、生活習慣病が増加したり、優れた食文化が失われる危機に直面したりするようになると、2005年には食育基本法が制定され、給食は食育の教材としての役割も担うようになった。文部科学省によると、近年、給食は米飯が主流(2015年度、週平均3・4回実施)。和、洋、中華風とおかずも多様化し、同じ献立の日が月に2日とないほどだ。

     食育に力を入れている学校は多く、東京都小平市立小平第六小では全児童がクラスごとに年1回、校舎内の和室で保護者と一緒に正座して和風給食を食べる。焼き魚を載せる角皿とおひたしの小皿は瀬戸物でそろえ、伝統的な和食の取り合わせや魚を食べる際の作法などを学ぶ。

     学校給食に詳しい新潟県立大の田村朝子教授は「地場産物を使って地元の人に郷土料理の作り方を習ったり、農家の人を招いて一緒に食べたりするなど、給食は地域の食文化や行事を学ぶ場にもなっている」と話す。(堀内佑二)

     「学校 モノ・風景」では学校生活を彩るモノや行事を通し、教室や子どもの暮らしの変遷をたどります。今後「学校図書館」「校庭」を取り上げます。エピソードに氏名、連絡先を添え下記の宛先へお寄せ下さい。
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    2017年06月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun