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    スクールデイズ

    他人と違うことに自尊心…ヤミーさん

    聞き手・佐藤寛之

    料理研究家

    • ヤミーさん(安斎晃撮影)
      ヤミーさん(安斎晃撮影)

     実家は茨城県の農家で、食卓には野菜を使った和風の料理がよく出ました。でも、私や2歳違いの妹は洋食にあこがれがあり、小学5、6年生になると、子ども向けのレシピ本を読んで、姉妹だけ別メニューのハンバーグやグラタンを作って楽しむようになりました。

     人と接するのが苦手で、料理や読書など、一人の世界に没頭できるものが好きでした。伝記や推理小説を徹夜で読みふけって、親から「読書禁止令」が出たこともありました。

     絵を描くのも得意で、地元の中学校では、それまでなかった美術部を、先生にお願いして創部してもらいました。風景画や人物画、造形も好きで、「上手」とほめられるのがうれしかったです。

     高校に進学すると、画家のおばに「芸術の分野に進むなら」と勧められ、美術系の予備校に通い始めました。予備校の仲間たちとは月に1回ほど、東京に絵画などの展覧会を見に行きました。お金がかかるので特急は使わず、片道2時間くらいかけて上京しました。

     その後、女子美術大学に進み、染め物を中心に、織物や陶芸、ガラスなどの勉強をしました。

     卒業後はデザイナーとしてインテリア会社に就職しました。営業もこなし、早朝に出勤し、深夜に帰宅する毎日。疲れて何も考えられず、仕事の効率が落ちる悪循環に陥っていました。そんな生活が3年ほど続く中で、学生時代のアルバイト仲間が、「人生は自分が主役だよ」と励ましてくれたのです。

     半年後に退社し、輸入食材店でアルバイトを始めました。職場には、小学生のときにレシピ本で読んだ海外の食材やスパイスがたくさんありました。それらを使って同僚に料理を作ったら好評で、ブログでレシピの紹介を始めたのが、今の仕事にかかわるきっかけになりました。

     振り返ると、他人と違うことをすることに自尊心をくすぐられていた気がします。それが、段取りを少なくしながらも、一工夫で様々な料理が楽しめるレシピを考えることにもつながっていると思います。(聞き手・佐藤寛之)

    プロフィル
    やみー
     1976年、茨城県生まれ。本名は清水美紀。ヤミー(Yummy)は「おいしい」という意味の英語。2006年、簡単な作業で料理が作れる「3ステップクッキング」と呼ぶレシピをブログで紹介して人気に。「ヤミーのがんばらない毎日ごはん」など著書多数。今年4月から、料理教室の講師を育成する講座も始めた。

     (2017年6月29日付読売新聞朝刊掲載)

    2017年07月03日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun