文字サイズ
    学校、受験など教育に関する掘り下げた記事をタイトルごとに掲載します。
    スクールデイズ

    ジオラマと怪獣で自作映画…原ゆたかさん

    聞き手・山田睦子

    児童書作家

    • 原ゆたかさん
      原ゆたかさん

     生まれは熊本県ですが、父親の転勤で小学校3年生の頃、東京都北区の学校に移りました。分校として開校したばかりで、2クラスだけのアットホームな雰囲気でした。

     その頃から絵や漫画を描くのが好きでした。小学校では同学年に自分も入れて4人、漫画を描く男子がいて、ノートに描いて回し読みするんです。「もっと面白くしよう」とライバル心を燃やし、ロボット漫画などを描きました。

     当時は「ひょっこりひょうたん島」が大人気。学校では、瀬戸内海の無人島を買って誰がどこに住む、などと半ば本気で話していました。

     5年生になると、怪獣映画づくりにはまりました。友達の父親から借りた8ミリカメラで、友達と2人で毎日撮りました。彼の部屋にあった2段ベッドの下が、空いていたんです。そこに拾ってきたコンクリート片や土、水を入れ、公園にあった木の枝などでジオラマを作り、粘土の怪獣をコマ撮りしました。

     粘土で工場の模型を作り、煙突に線香を使いました。煙をあおいでいたうちわが映り込む失敗もありましたが、小遣いの範囲でどう作れるか工夫を重ね、毎日が楽しくてあっという間に過ぎました。

     中学に入って間もなく、兵庫県西宮市へ転居しました。高校を卒業後は美大を目指して浪人しましたが、勉強が苦手で身が入らない。イラストを描いて出版社に応募すると、本の挿絵などに使ってもらえるようになりました。すると、物語の構成が気になり始めました。「この本はもっと面白くなるはず」と出版社の人に訴えると、「なら自分で書け」と言われ、物語を書くようになりました。

     「かいけつゾロリ」の主人公ゾロリは、諸国を旅して回ります。道中、知恵を働かせていたずらや人助けをします。少年時代の経験が、作品の基になっているのです。小学生の時、ちゃんと遊んでいてよかったなあと思いますね。これからも、子供たちが思わずページをめくりたくなるような本を書いていきます。

    プロフィル
    はら・ゆたか
     1953年、熊本県生まれ。20歳の時、イラストレーターとしてデビュー。87年から描き続けている「かいけつゾロリ」シリーズは今年30周年を迎え、計61冊刊行。発行部数は計約3500万部に上る。11月25日からは映画「かいけつゾロリZZ(ダブルゼット)のひみつ」が公開される。

     (2017年9月28日付読売新聞朝刊掲載)

    2017年10月02日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun