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    スクールデイズ

    受け身の姿勢 個性引き出す…片桐仁さん

    聞き手・渡辺光彦

    俳優

    • 片桐仁さん(萩本朋子撮影)
      片桐仁さん(萩本朋子撮影)

     埼玉県宮代町の農村地帯で、幼稚園から高校まで過ごしました。運動は得意ではなく、勉強もそこそこ。いつも1歳上の優秀な姉と比べられたせいか、周囲に認められたいという気持ちを持ち続けてきました。

     幼稚園時代に描いたロケットの絵が地元の郵便局に飾られ、絵を描くことが好きになりました。その後は絵画教室に通いながら、両親の勧めで野球や水泳、ピアノ、書道なども習いました。当時から受け身だったので、どれもしばらくは続けましたが、絵が自分に一番合っていました。

     中学校では、町内にある東武動物公園の観覧車を描いた絵が学校に飾られ、誇らしかったです。でも、先輩や同級生らに絡まれることもあり大変でした。

     高校は美術関係のコースを考えましたが、父から普通科を勧められ、県立春日部高校に進みました。周囲は勉強ができる生徒ばかりで、3年間ほぼビリ。本格的に絵で頑張ろうと思い、多摩美術大の絵画科版画専攻(当時)に現役で合格しました。

     美大は絵のうまい学生が多く自信を失いましたが、笑いに興味があり、同級生と落語研究会で活動しました。コントグループ「ラーメンズ」を結成し、就職活動もせず卒業後はアルバイトをしながらライブ活動をしました。

    • 美術の道を目指していた、高校時代の片桐さん
      美術の道を目指していた、高校時代の片桐さん

     30歳頃からは単独で芝居のオファーが来るようになりました。髪がボサボサでホームレスなどの役が多かったのですが、刑務官役のため髪を切ったらサラリーマン役も来るようになりました。

     俳優業の傍ら「粘土アート」は18年続けています。雑誌でアート関係の連載をすることになり悩んでいたら、学生時代に粘土が得意だったのをコンビの相方が覚えていて、提案してくれたんです。

     活動を続けられるのは、子供の頃から、良い意味で受け身に生きてきたからだと思います。これからも、いただいた話は何でもやろうと思います。隠れた自分の個性が引き出されるかもしれませんので。

    プロフィル
    かたぎり・じん
     1973年生まれ。「海峡の光」など舞台を中心に活動。ドラマ「99.9 刑事専門弁護士」(TBS系)やラジオにも多数出演している。「何かに粘土を盛る」という発想で創作した作品を紹介する「ギリ展」を11月17日~12月3日、イオンモール幕張新都心(千葉市美浜区)で開催する。

    (2017年11月16日付読売新聞朝刊掲載)

    2017年11月20日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun