東京大空襲 明らかに「戦争犯罪」だった
Great Tokyo Air Raid a war crime
12万人以上の死傷者、100万人以上の罹(り)災者を出した東京大空襲から10日で60年を迎えました。原爆による被災を除くと、通常兵器による史上最大の戦災をもたらした大空襲も、年月の流れの中で風化が進んでいるようです。
3月10日付の社説は、東京大空襲の指揮をとった米司令官や、その下で焼夷(しょうい)弾爆撃の作戦計画を立てた中佐たちが「東京大空襲は戦争犯罪だった」と認める述懐を紹介し、大空襲が明らかに国際法違反だったことを指摘しています。
さらに、日本人の歴史認識が東京裁判史観にいかにゆがめられたかを示す例として、ドレスデン爆撃の指揮をとった将軍の銅像建設にドイツ政府が抗議したのに対し、東京大空襲の指揮をとった司令官を、戦後になって日本政府が叙勲したことを挙げています。社説の結びは、東京大空襲の記憶を風化させず、後世に語り継ぐべきと訴えています。
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(1)
"I suppose if I had lost the war, I would have been tried as a war criminal. Fortunately we were on the winning side."
This remark, made years after World War II, is attributed to Gen. Curtis LeMay (1906-90), a U.S. Air Force commander who directed a massive incendiary attack on Tokyo in the predawn hours of March 10, 1945, scorching a good portion of the city's eastern shitamachi, a low-lying area with many small independent shops and factories.
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(1)「もし、われわれが負けていたら、私は戦争犯罪人として裁かれていただろう。幸い、私は勝者の方に属していた」
60年前の3月10日未明、東京の下町を焦土と化した大空襲の指揮をとったカーチス・ルメイ米司令官が、後年語った言葉である。
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東京の下町を焦土と化した大空襲:日本語の「下町」を downtown と訳すことはできません。下町は「都会の低地の町で、店や小工場などが多く集まっている区域」(岩波「国語辞典」)のことです。これに対し、downtown は "The lower part or the business center of a city or town"(The American Heritage Dictionary of the English Language)のことであり、ビジネス街や繁華街を意味します。東京の下町は、都心の東に位置する浅草や本所、深川などの商工業地域であり、downtown は新宿副都心や新橋、銀座、丸の内などを指します。訳例では「東京の下町」を、まずthe city's eastern shitamachi と、「下町」をローマ字表記し、その後に a low-lying area with many small independent shops and factories という説明を語句を並置しました。1945年3月10日の大空襲では、城東地区(墨田・江東区)に特に甚大な被害が出ました。「〜を焦土と化す」は reduce...to ashes や burn...to the ground などの慣用表現や、あるいは scorch(〜の表面を焼く、〈太陽・夏などが〉〈植物などを〉枯らす)という他動詞を用いることができます。「大空襲」は major air raid、あるいは large-scale aerial bombing でよいでしょう。「東京大空襲」は Great Tokyo Air Raid です。Tokyo の前に Great が付くことに注意しましょう。
後年語った言葉である:訳例では冒頭の引用を受ける形で this remark を主語にし、attribute という動詞を受動態にして文を組み立てました。attribute A to B は「A(作品・発言など)を B(人)のものだと考える」という意味です。"Who attributed such words to me? I never said them."(そんなことを私が言ったと、誰が言ったのですか。私はそんなことは言ってません)のように用います。あるいは、"You should attribute your failure to your indecisiveness."(失敗したのは自分の優柔不断のせいだと考えるべきだ)のように、「〈物事の結果が〉〜に起因すると考える」の意味でも用います。
(2005年3月18日 読売新聞)