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発達障害 まずは知ることから知らないことは罪なのだ。軽度発達障害の問題を取材して、そう思った。 軍手を2枚重ねてつけ、漢字の書き取り練習をする。指が動かない。「さあ、どんな気持ちですか?」、講師の横山浩之・山形大医学部准教授が、生徒役の教師に問いかける。「苦痛です。解放されたい」が答えだった。 先週、新潟市特別支援教育サポートセンターが実施した実践講座の一場面だ。約70人の小中学校教師が交代で生徒役を務め、模擬授業が進んだ。 「では、授業はどうしますか?」。発達障害のある子は不器用で、指先を使う作業はとくに苦手だ。そうした子には指書き、なぞり書き、大きなマス目のノートを使うことが提案された。 「間違えた漢字をノートに1ページ書くなんて宿題は、軽度発達障害の子にはいじめですよね」と横山さん。 軽度発達障害は、読み書きなどが困難な学習障害(LD)、注意力を欠き、衝動的な行動が目立つ注意欠陥・多動性障害(ADHD)、コミュニケーションなどが苦手な高機能自閉症などを指す。親の愛情不足などによるのではない。中枢神経系の機能不全による先天的な障害とされる。文部科学省の調査では、通常学級に通う小中学生の6・3%が該当する。 講座では、学級崩壊の原因として「困った子」とされがちなADHDの子への対し方も取り上げられた。 授業中に黒板にいたずら書きを始めた子がいる。どうするか? 正解は、教師はその子に巻き込まれない、だ。クラスの他の子には作業を伴う学習をさせ、その子に注目させない。あきらめて席に戻ったとき、初めてその子にかかわり、ほめる。正しい行動は何かを伝える。手順を踏まねばならない。 同省は、軽度発達障害などの子供に適切な指導を行う特別支援教育の本格的な実施を図っている。 サポートセンターを発足させた同市の実践は先進的だ。地元紙の教育担当編集委員だった篠田昭市長は、「ADHDの子が複数いればクラスは大変だし、対応が遅れると、その子にも家庭にも不幸な結果をもたらす。緊急性の高い問題だ」と語る。 例えば、視覚障害の子に障害を無視して教育すればどうなるか。その結果を考えると、軽度発達障害について正しい認識を持つことの大切さが分かる。もちろん、特別支援教育を、新たな障害のレッテル張りや障害児排除の手段にしてはならない。 まず、知ることから始める。自身の反省を込めて、そう思う。 (2007年8月18日 読売新聞)
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