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「経済学検定」大学が活用

 NPO法人「日本経済学教育協会」(本部・東京)が2002年から実施している「経済学検定試験」を活用する大学が増えている。

単位認定、受験料負担 学習意欲養う狙い

 ゼミで受験を義務づけたり、受験料を負担したりする大学も。学生に目標を与え、経済学を学ぶ意欲を高めようという狙いがある。

 「『ここは試験に出るよ』と言えば、目の色を変えて勉強します」

 経済学検定試験の効用を、武蔵大(東京)の松川勇・経済学部教授はそう説明する。03年からゼミの学生に受験を義務づけたところ、出席率が向上し、学生たちが集中して授業に臨むようになった。2〜3年の2年間で1回受験すればいいが、何回も挑戦する学生もいるという。

 検定試験は、「ミクロ経済学」「マクロ経済学」「金融論」「財政学」など、7分野の基礎的な知識を問うもので、3時間で計100問を解答する。1000点満点で、成績は7段階評価。試験は毎年7月と12月の2回あり、昨年は計1971人が受験した。

 日本経済学教育協会を発足させたのは、学力低下に危機感を抱いていた大学の経済学教授たちだ。同協会会長を務める西村和雄・京都大経済研究所長は、「日本の大学は卒業を認める明確な基準がなく、経済学の知識が身についていなくても経済学部を卒業できてしまう。学生にとってやりがいとなるような試験が必要だと考えた」と語る。

 同協会事務局によると、武蔵大のようにゼミで試験を活用するケースだけでなく、検定試験で一定以上の成績を収めた学生に単位を認定する大学も増え、現在、少なくとも7大学あるという。成蹊大では昨年から、この制度を導入し、これまで12人に単位を与えた。同大は「大学の授業だけでなく、自主的に学ぶことも大事」と強調する。

 検定試験の受験料(5250円)を負担する大学もある。明治大政経学部は「より多くの学生に試験を励みに勉強してもらいたい」と、05年12月の試験から受験料を出している。

 小樽商科大は03年から、検定試験を大学院入試に活用。専門科目を受験する代わりに、検定試験の成績証明書の提出を認め、合否の判断材料にしている。今年は、計9大学が同様の制度で大学院入試を実施する。

 西村所長は「就職活動で検定試験の成績証明書を提出したら、評価されたという例も聞いている。企業側に認知され、検定試験の好成績が就職で有利に働くようになれば、勉強する学生も増えるだろう。今後は多くの企業にPRしていきたい」と話している。(松本英一郎)

経済学検定試験の過去の出題例

 【例1】マクロ経済学からの出題     

国内総生産(GDP)を計算する際に、原則として考慮されないものは、次のうちどれか。                   

 (1)地価(2)家賃(3)配当金(4)利子所得                【例2】金融論からの出題        

BIS(国際決済銀行)が定める自己資本比率規制(いわゆるBIS規制)のもと、銀行が企業への貸出を減らして国債の保有を増やすと自己資本比率は、次のうちどうなるか。

 (1)上昇する(2)低下する(3)変わらない(4)企業の信用リスクによって上昇するか低下するかは分からない

 ※正解は例1、例2ともに(1)

2007年10月12日  読売新聞)
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