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高校無償化 どう動く

間接給付し就学支援

 鳩山新政権の公約の目玉の一つ「高校授業料の実質無償化」。来年4月からの実現に向けた課題はなにか。

  高校授業料の実質無償化では、各家庭に現金が直接配られるのか。

 A 授業料を国が肩代わりする「間接給付」とし、家庭に現金は支給しない。

 Q なぜ無償化するのか

 A 民主党は政権公約(マニフェスト)で、「家庭の状況にかかわらず、すべての意思ある生徒が安心して勉学に打ち込める社会を作るために」としている。高校進学率は98%と高い。でも今は経済的理由で中退するケースも多く、こうした生徒たちに学ぶ機会を保障しようという考え方だ。

 Q 全員が高校に行く義務教育化とは違うのか

 A 学びたい人が高校に行く、という原則は変わらないし、選択の自由はあるから義務化とは違う。高校でかかる費用すべてが無償になるわけでもない。

 Q 海外の状況は

 A 文部科学省によると、高校まで義務教育の国はほとんどない。ただ、欧米では義務かどうかは関係なく多くが授業料は無償。有償なのは日本、韓国などアジアの国が中心だ。

 Q 私立も公立も無償になるのか

 A ほぼ完全に無償になるのは公立だけだ。公立、私立にかかわらず、高校生がいる世帯には公立高の授業料相当額(年約12万円)を支給し、私立高に通う年収500万円未満の世帯には24万円を限度に支給する、というのが今のところの考えだ。

 Q 私立授業料の額は

 A 平均は年約35万円。だから全部は補えないし、年収500万円を境に支給額が半減するのもおかしい、という意見がある。私立高側は同様に無償にすべきだという主張が強い。一方、富裕層まで無償化するのはバラマキだ、という声もある。

 Q 授業料だけ無償になっても年収の低い世帯にはあまり恩恵がないのでは

 A 低収入の世帯には、これまで都道府県が授業料の減免をしていたが、教科書代などを貸与する制度もあった。これに加え、入学時に必要な費用を支援する返済不要の支援策も新たに必要になるとして、文科省は来年度予算で123億円を要求している。

 Q お金は直接渡すのか

 A 民主党では当初、各家庭に直接給付する方針だった。でも巨額の事務経費がかかるし、授業料に使われるかははっきりしない。だから「間接給付」に変わった。

 Q 手続きは

 A 保護者は、「就学支援金申請書」を学校を設置する都道府県や私立高に提出するだけだ。都道府県は保護者に代わって国に申請し、国から学校設置者に支給されるから、保護者の手元に現金は来ない。ただ民主党は「家庭への給付」にこだわっているから、給付を知らせる通知が家庭に届く仕組みになるようだ。

 Q 今後の課題は?

 A 最大の懸案は財源問題。来年度の概算要求には、無償化の費用4501億円が盛り込まれた。ただ、政府の行政刷新会議は、膨らんだ概算要求を3兆円程度削減するとしており、富裕層も対象にすることが妥当なのか、という議論とも相まって満額認められない可能性もある。年度末ぎりぎりまで曲折があるだろう。

 (社会部 梅村雅裕)

2009年10月28日  読売新聞)
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