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被災HVを整備教材に…佐賀

プリウスの教材用エンジン・モーターを前にする山田社長

 佐賀市鍋島町八戸溝の中古車販売会社「サンデン」=山田敏彰社長(48)=は、東日本大震災の津波被害で廃車となったハイブリッド車(HV)からエンジン部分などを取り出して、自動車整備教材用に再利用する事業を始めた。売り上げの一部は、被災地への寄付にあてる方針。訓練の充実や被災地支援につながることから、多久市の県立産業技術学院(小山典良学院長)は購入を決め、17日、1台分が納品された。

 同社や学院によると、納品されたのはエンジン・モーターなどで、山田社長が仙台市の中古車販売店から買い取ったトヨタのHV「プリウス」から再利用した。HVはエンジンとモーターを両立させて走行するため、バッテリーや配線が複雑に入り組んでいる。このため、教材用はモーターの外枠を切り取り、駆動の様子が目視できるなど工夫を凝らしている。学院の自動車工学科の授業で来月から使用する。購入額は50万円。

 山田社長は昨年5月に仙台市内の被災地を訪れた際、「田んぼのあちらこちらに転がっている車を採算は別にして何とかしたい」と思い、同市内の販売店から被災したHV4台を購入。エンジンなどを取り外して教材用に仕上げている。今回の納品が1台目で、2台目も販売できる状況にある。

 HVの教材用エンジン・モーターは、定価で購入すると230万円ほどかかる。廃車を再利用すれば、大幅に安く提供できる。HVの需要が増えるにつれ、学校などで教材の需要度も増しているが、値段の高さが足かせになり、全国的に普及が進んでいないという。

 納品時に、学院側は「これまでの授業では、HVのボンネットを開けて眺める程度だった。今回の教材で内部構造も手に取るように分かり、学院生の理解も深まる」と期待。山田社長は「エコカーが増えるにつれ、整備技術も進歩しなければならない。未来の整備技術者の育成と被災地支援に貢献できれば幸い」と話していた。

2012年1月18日  読売新聞)
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