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秋入学、筑波大前向き 茨城大は慎重な姿勢

県内企業も動きに注目

 教育や研究の国際競争力確保を狙い、東京大学の懇親会が全面移行を提言した学部の秋入学について、茨城県内でも、筑波大(つくば市)が導入を前向きに検討していることがわかった。一方、茨城大(水戸市)は「学生を振り回してはいけない」と慎重な姿勢をみせ、対応が分かれた。

 秋入学は入学時期を海外の大学で圧倒的に多い秋に合わせ、海外の優秀な学生や教員の受け入れ、日本人学生の留学をしやすくするのが狙い。京都、大阪、東北など各国立大も相次いで検討を表明しており、筑波大も続いた。

 国際性をうたう筑波大は、1978年から海外の高校を卒業した帰国生を対象に、8月に入学できる「第2学期推薦入学」制度をスタート。外国人留学生の受け入れは学群で計169人(昨年5月)に上り、国別では中国の61人を最多に韓国52人、マレーシア14人、ベトナム7人、タイ6人と続く。

 視覚や聴覚に障害のある学生が学ぶ筑波技術大(つくば市)も秋入学を検討するとした。同大は「留学生は多くないが、中期的に考えていく」とし、他大学の動向を見守る構えだ。

 これに対し、茨城大は入学までに生じる半年間の空白期間を心配する。池田幸雄学長は「一部の裕福な人は短期留学をするかもしれないが、多くの学生はアルバイトにいそしむだけ。現状では秋入学は大学のためであって、学生のためではない」と批判する。

 同大も国際化には積極的で、中国97人、韓国32人、マレーシア34人など外国人留学生は学部計188人(同)に上る。タイやインドネシアなどへの農業研修を夏休みに実施しており、「時間や経済的な負担がないように国際経験の機会を考えるのが教育機関として必要」と指摘する。

 県内の産業界も秋入学への動きを注視する。筑波銀行(本部・つくば市)は「秋入学、秋卒業が広がれば通年採用も考えなければならない。コストはかかるが、今後の広がりを見ていきたい」としている。10年ほど前から、海外の大学出身者などを対象に通年採用を行っている日立製作所(東京・千代田区)は「グローバル化に対応できる優秀な人材を確保するため、卒業時期に関係なく採用し、大学の動きに合わせて充実させていく可能性もある」と柔軟だ。

 一方、東大合格者を出している私立清真学園高(鹿嶋市)の佐藤敏近校長は「テストの点数を取れるだけの教育をしているわけではない。東大が秋入学に移行したとしても、こちらが教育内容を変えることはない」と冷静に受け止める。

2012年1月23日  読売新聞)
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