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不登校気味の高一の長男

奈良県、女性、会社員

 高校一年の長男が最近不登校気味です。毎朝弁当を持ち、制服を着て家を出るのですが、近くのコンビニや本屋などで時間をつぶしています。本人と何時間も話し、学校の先生や所属するラグビー部の顧問とも相談すると、その時は分かったような感じで明るく元気に家を出るのですが、登校はしません。大人から見ると目先の苦労や悩みから逃げているようにしか見えませんが、本人にとっては深刻なようで「死にたい」とも言っていました。本人は優しい子で弟の面倒見も良く、家事の手伝いもしてくれます。

NPO法人教育ネットワーク・ニコラ理事長 馬場 章

 息子さんが成長と共に難しい年ごろになり、お母さんとしてはとても困惑しているご様子が感じられます。以前は親の言うこともよく聞き、元気よく学校へ行っていたのに、高校生になってからは人が変わったように親や教師に迷惑をかけ、学校嫌いになってしまった…と。親としては困った事態ですが、これは息子さんの自立への一歩と見ることもできます。家を出たのに学校には行かず、近くの本屋やコンビニで時間をつぶしているとのことですが、息子さんは周りに気を遣い過ぎるほどの優しい性格もあって、なかなか親や教師に本音でぶつかることができないようです。ですから、大人たちにただ明るく振舞いながら時間が過ぎ去ることだけを待っている。そんな感じがします。

 そういう息子さんを前に、お母さんはただ息子さんを責めるだけで「解決の方法」を示しているわけでもない。これでは息子さん本人にとってはつらいだけです。お母さんに息子さんの心が読めていますか?もっと言わせてもらえば、親としての都合ばかりで迫っていて、息子さんの思いをよく理解しようとはしていないのではありませんか。息子さんは明らかに、大人に救いの手を求めているのにです。これでは、周囲の期待がプレッシャーになり、自分の至らなさを自覚させられるばかりで、息子さんの内発的なやる気にはつながりません。周囲の人々や自分自身に対する不満ばかりが醸成されるだけです。

 お母さんは「以前のように」という思いがあるのでしょうが、本人も周りの状況も絶えず変化しており、その成長に見合ったかかわりが必要だと思います。成長するとは変わることでもあります。ですから、そのためには親もまた時には変わることが求められます。部活をこのまま続けるべきかどうかも含めて、もっと子どもの思いに耳を傾けたかかわりが必要です。良かれと思った行動が必ずしも子どものためにならないこともあるのです。

回答者略歴 ばば・あきら 学習塾勤務を経て月刊教育誌「ニコラ」を発行。フリースクール「ぱいでぃあ」も主宰。不登校、中退、引きこもり、子供の育ちや学び、進路などの相談活動。著書に「行ってみないかこんな『学校』」(ハート出版)など。
2005年1月28日  読売新聞)
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