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(2) “補習”受けるのは「権利」写真の拡大
![]() トイッカネンさん(中央)の指導で、クイズ形式の教材に取り組みながら単語を学ぶ(トウルヌンミ小学校で)
フィンランドでは、勉強が遅れた子ども向けの授業が手厚い。 日本人の耳には「キッサ」と聞こえる声がスピーカーから流れると、パソコンの画面にはつづりが違う二つの単語が表示された。「kissa」(ネコ)が正解で「kisa」(競技)は間違い。正解を選ぶと「ピンポーン」。記憶を確実にするため、最後に正しいつづりを自分で入力する。 紛らわしい発音を聞き分け、正しいつづりを選ぶのが授業のテーマだ。 ヘルシンキ市北部のトウルヌンミ小学校の一室で、2年生の男児2人が、特別補助教員のパイビ・トイッカネンさん(57)の指導を受けていた。 アレクシ・ソメルバーラ君(8)とビッレ・ベルッティラ君(8)。トイッカネンさんによって読む能力に遅れがあると判断され、国語だけ週3回、別室で授業を受けている。 童話を使った音読指導でも、つまずくたびに丁寧な指導を受けた。授業を終え、在籍する教室に戻る時に2人が言った。「先生の授業は楽しくて大好きだよ」 フィンランドでは国語や数学で約2割の子どもがこうした授業を受ける。学習障害などを対象にした特別な指導とは別枠で、補習専門の授業という色彩が強い。児童約300人の同小では、週30時間、始業前や放課後にも特別補助授業が行われている。
特別補助教員は、大半の小中学校に在籍し、進学校と呼ばれる高校でも活躍する。大学院で専門コースを専攻するか、小中学校の先生が1年間の専門コースを受講する。そもそもは小学校教諭のトイッカネンさんも15年ほど前に、1年コースで、特別補助教育の理論や読み書きの特別な指導法を学び、実習も経験した。 ヘルシンキ市教育長のマリョ・キッロネンさん(45)は「地域の保護者の収入などを参考に、学校によっては1〜2人増やす予算を与えている。これを“積極的差別”と呼びます」と誇らしげに言う。 さらに、「親は子どもが教育を受ける権利をよく理解していて、成績が落ちてくると『ぜひ特別補助授業を受けさせて』と言ってきます。それがこの国の考え方」と笑顔で語った。 フィンランドが経済協力開発機構(OECD)の国際学習到達度調査で世界のトップに立った秘密に特別補助授業がある。2003年調査の「読解力」で見ると、3段階の到達度のうち最も成績の悪い集団が、日本はOECD加盟国平均と同じ19%。フィンランドではわずか6%で、参加国・地域の中で最少だった。 「教育というボートに乗った子どもは一人たりとも落とせない」 フィンランドの教育関係者から、しばしばこうした言葉を聞かされた。 日本では… ◆「特別支援」構想も 文部科学省によると、義務教育段階で「特殊教育」(special education)を受けているのは、盲・ろう・養護学校や特殊学級に通う子と、通級指導を受ける子を合わせて約1.6%(2003年)。別の調査では、普通学級に、LD(学習障害)など、学習面や生活面で特別な支援を必要とする子どもが推計6.3%。近年、こうした子どもたちも含めた「特別支援教育」(special support education)という考え方が打ち出されている。 (2005年3月24日 読売新聞)
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