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(2) 教師と「理解」深める努力写真の拡大
![]() 「よんで皆」を手に、今後の活動について話し合う大桑小PTAの会員たち
学校へ無理難題をふっかける親が増えていると、教員は考えている。 「嫌いな親がいるので子供のクラスを替えてほしいと言われた」「下校時にパトロールするよう要求されたが、親は何もしないので、協力を要望すると『働いているからできません』と回答が来た」 大阪大学の小野田正利教授(50)が、関西の小中高校と養護学校、幼稚園の教員を対象にしたアンケート「保護者対応の現状」。質問した合計888校(園)のうち、校長や教頭ら507人からの回答を読んだ小野田さんは、教員たちが記した親の力の低下ぶりにため息をついた。 親からの無理難題が「増えている」との回答は80%に達した。担任と話し合おうとせず、いきなり校長や教育委員会へ直談判する親の増加を挙げる教員も多く、親への対応に「難しさを感じている」という回答が90%あった。
なぜ無理難題は増えているのか。再び、教員が記したアンケートから。 「親に社会人としての能力が欠如している」「高学歴者が増え、教師を見下している」「親、特に母親の未成熟ぶり。ミーハー的感覚。『ビミョー』という言語感覚。利己主義。視野が狭い」 ここからは教員たちの、とげとげしいまでの「親観」が浮かぶ。「今の保護者の世代は親が何でもやってくれる環境で育てられ、何かあると自分のせいではないと考える傾向が強い」と、小野田さんも分析する。 だが、その一方で、親たちが知ったら怒りだしそうな見方を書いてきた教員たちもいる。 「学校にお世話になっている感覚が薄れ、対等に要求してくる」「食物アレルギーの子供のために特別食を要求する。センター給食なのに」 「教員は尊敬されるべき聖職」と考える教員の常識と、「教育もサービスなのだから権利は主張する」という親の常識と。これではどっちもどっちで、相互不信は深まるばかりだ。
現状打開の特効薬はないが、小野田さんは教員と親が一緒に、学校のガイドブックを作ることを勧める。年間の行事や教科の説明、生活指導の方針など、内容は何でもいい。「ありのままの学校の姿を親たちに知ってもらうことで、信頼感が生まれる」という。 栃木県今市市立大桑小学校は5月、親たちが中心になって学校ガイド「よんで皆(みーな)」を作った。 呼びかけたのは、2年前に長男が入学した川村多喜男さん(42)。学校5日制で授業時間が十分確保できないなど知らないことばかりだったが、「情報が足りないと学校に迫るのではなく、親の目線で作れば学校のこともよく分かるようになる」と語る。 ガイド編集のアドバイザーを務めた宇都宮大学の廣瀬隆人教授(49)は、「学校への無理難題は、誤解と不信感から生まれる」とみる。今の学校には、教員と親が胸襟を開く場があるだろうか。(梅沢清次) 保護者対応ストレスに 東京都教職員互助会三楽病院の中島一憲・精神神経科部長によると、2003年に精神疾患で同病院を受診した教師353人のうち、最も強いストレス要因として、「保護者対応」を挙げた人は6%。「生徒指導」(42%)や「同僚・管理職との人間関係」(24%)より少ないが、中島部長は「保護者対応は生徒指導とかかわり、保護者ともめると管理職との関係も悪化するため、複合的なストレスになりやすい」と語る。 (2005年8月10日 読売新聞)
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