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(18) 大学以前にセンス磨け写真の拡大
![]() 答案を審査する東工大の広瀬教授(右)
最先端の研究者たちが予備校と連携した英才発掘に動く。 東京、神奈川で13校を開く高校生対象の予備校「早稲田塾」(本部・東京、相川秀希代表)。その秋葉原校は23日、特別な日を迎えた。 4階で、慶応大学環境情報学部長の冨田勝教授(48)が専門の遺伝子情報解析の話を交えながら「何のために大学に行くのか」を熱く語る。同じ時間に6階では、ロボット工学の権威、東京工業大学の広瀬茂男教授(58)が、地雷除去の取り組みに熱弁をふるった。 早稲田塾は10年ほど前から教育・研究内容による大学選びを提唱してきた。それだけに、大学の教授が話をすることは珍しくない。 しかし、この日の冨田教授の講義は、高校2、3年生を対象に、生命科学の分野で慶大と早稲田塾が連携して初めて開く連続講座「スーパーサイエンスプログラム」の幕開け授業。広瀬教授の講義は、来月から始まる「スーパーロボティクスプログラム」の選抜試験の一環だった。
「スーパーサイエンス」には104人が応募、英語と面接による選抜で17人(男子6人、女子11人)が選ばれた。早稲田塾生以外にも門戸を開き、塾生でない高校生も7人いる。7月までの日曜と夏休みを使ったプログラムでは、ゲノム(全遺伝情報)のコンピューター解析実習や遺伝子工学の実験実習を体験したり、生命倫理に関する討論会を開いたりもする。 冨田教授は「生物部で遺伝子組み換え実験をやった生徒や、国立遺伝学研究所に出入りしたことのある生徒、古代生物のロボットを作った生徒もいた。生命科学に、本当に興味がある子ばかりで楽しみだ」と笑顔を見せる。 一方、「高校生に直接接してエンジニアとしてのセンスを見たかった。センスは、小さい時から物作りにかかわっているかで差が大きく、大学に入ってからでは遅すぎる」と語っていた広瀬教授。 23日の試験では「太陽の方向をいつも向くヒマワリ型の玩具(がんぐ)」や「日常生活でも利用でき、大地震時に安全を確保したり、人命救助に役立てられる機器」の設計図を書き、説明するという課題も課した。 「おもしろい」「いいですね」。高校生の受け答えに対する広瀬教授の反応からは、手応えが読み取れた。
慶大ではさらに、日本のインターネットの父とも呼ばれる村井純・環境情報学部教授(51)も7〜8月に「スーパーITプログラム」を開講予定だ。6月の選抜試験では、ネット上で大学の講義を受講してリポートを出す課題も出る。 「インターネットがいま直面している問題を一緒に考えたい。才能は作ろうとして作れるものではなく、機会をとことん与えることが肝心だ」と村井研究室の南政樹講師(33)。 「少しでもすぐれた才能がほしい」という研究者の本音が、予備校の仲介する新しい高大連携を広げている。(中西茂) 高大連携 特定の分野に関心のある高校生に大学レベルの教育を受ける機会を与えたり、大学の教育内容を紹介したりする取り組みで、近年急増している。文部科学省の調査では、2003年度に、大学教員が高校に出向いて講義や大学紹介をしたのは1654校。高校生が大学などに出向いて、受けた授業を単位として認めたり、公開講座を聞かせたりした高校は675校あった。 (2006年4月26日 読売新聞)
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