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(3) PC活用 作業効率化写真の拡大
![]() 児童の健康状況について養護教諭の吉川さんと話し合う五反野小学校の三原校長(左)
パソコンで教員の事務作業を削減した校長がいる。 東京都足立区の区立五反野小学校の三原徹校長(57)は、2004年春に着任するに当たって、区教委に1点だけ要望した。それは教員1人に1台ずつパソコンを配備することだった。 直前まで教育関連企業ベネッセコーポレーションに勤務。教育用ソフト開発に携わった経験もあり、教員用のパソコン配備が全国的に遅れていることを知っていた。実際、それまで五反野小の職員室には区内の他校と同様2台しかなく、区教委は同校のみの特例として職員室と事務室を合わせ26台にし、これらをネットワーク化した。 この新しい道具を使い、着手したのが朝の職員会議改革だった。他県の学校を見学し、「黒板に書いてあることを口頭で連絡するのは職員会議の時間がもったいない」と思ったからだ。 職員会議の連絡事項はすべてネット上の掲示板に書き込むことにし、余った時間で「1分間スピーチ」を始めた。教員が趣味や家族のことなどを自由に話すものだが、「先生の人柄がよく分かるようになった。教室でスピーチ内容を話題にする先生もいて児童が担任以外の先生に親しみやすくなりました」と語る。
◎ 通知表も工夫した。 教員全員がクラスの垣根を越え、各児童の良い点を目にしたらパソコンにすかさず書き込んでいく。昨年度、これをプリントして通知表に挟み込んで配布したところ、「色々な先生が自分の子供を見守っていてくれることが分かった」と、保護者の間で評判になった。今年度は、この紙を通知表の一部にし、従来あった通知表の所見欄をなくそうと考えている。 教員も動いた。養護教諭の吉川真樹子さん(41)はパソコンソフトメーカーに要望して、ネット上にある保健室の入退室記録の備考欄を広げた。児童の症状や気持ちをより詳しく書けるようになったため、ネット上で閲覧できる他の教員の間でも好評だ。
◎ 宇都宮市立星が丘中学校では、NTTの関連会社から04年に転身した小谷和弘校長(54)が音頭を取り、教員用に4台あるパソコンで通知表を作成できるシステムを構築した。学校の事務の多さに驚き、教員に尋ねたところ、とくに忙殺されるのが通知表作成と分かったからだ。 通知表は、各教科の担当が成績を書いて担任教諭に手渡す。それをクラス担任が写すだけで1クラス35人分で約5時間かかる。高校受験のための調査書や、のちの授業の参考にする指導要録にも同じ情報を転記するからなおさらだ。 新システムはパソコンに詳しい教員3人が2か月かけて開発した。各教科の担当が打ち込んだデータが通知表や調査書、指導要録にそのまま転記できる。 「パソコンで事務量を減らしてもっと授業の質を上げ、子供と触れあってほしい」。双方の校長がともに口にした言葉だ。(松本英一郎) 職員室に5.7台 文部科学省が昨年3月現在で全国の公立小、中、高、特殊教育諸学校を対象に行った調査によると、授業で使うパソコンは1校当たり43.2台あるが、事務や校務のためのパソコンは同7.1台。職員室には5.7台しかなかった。約88万人の教員に対し、職員室に設置されているのは約23万8000台しかない。また、56.6%の教員が、個人のパソコンを学校で使うことがあると答えている。 (2006年5月4日 読売新聞)
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