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(2) 実験手順HPで確認写真の拡大
![]() パソコンで手順を確認しながら遺伝子組み換え実験をする生徒たち(芝浦工大柏高校で)
予習や宿題もネットを使う先端科学の授業がある。 パソコンの画面に生物のプリントが映し出される。「まず、DNAについて説明します」という奥田宏志教諭(37)の声とともに、ボールペンを握った手元が、二重らせん構造を描いていく。約20分の映像で、遺伝子情報を基にたんぱく質が作られる仕組みや、大腸菌を使った遺伝子組み換え実験の流れが説明された。 私立芝浦工大柏高校(千葉県柏市)1年の「生命科学」の授業は、奥田教諭が作った映像を、生徒が事前に専用のホームページで見ておく必要がある。実験の結果を推測する宿題も、このページに示されている。
「生命科学」は、先端科学を学ぶ「芝浦サイエンスクラス(SSC)」の一部で、希望する生徒だけが対象だ。高度な遺伝子組み換え実験やヒトDNAの抽出実験をする。 22日には、その遺伝子組み換え実験の当日を迎えた。暗闇で光るクラゲの遺伝子を大腸菌に取り込ませる実験だ。成功すれば、翌日、シャーレに光る細胞が増殖しているはずだ。 奥田教諭はまず、実験の手順をプロジェクターを使って説明した。同じ映像はホームページでも見られるので、個々の生徒が自分のパソコンで手順を確認しながら実験ができる。生徒たちは、映像を止めたり、巻き戻したりしながら、注意深く作業を進めていた。 さらに、ホームページには掲示板もあり、実験の感想や質問も書き込める。 「自然界に存在しない大腸菌を作っていいのだろうか」「遺伝子組み換えが意外に簡単にできることがわかり、悪用されないか心配になった」 実験後、早速、生命倫理にかかわる疑問が書き込まれていた。
同校は中高一貫校になった7年前からIT(情報技術)教育に力を入れ、中学入学時に、生徒1人1台、ノートパソコンを購入させている。情報教育担当の丸山広光教諭(56)と二人三脚で理科教育での活用について研究を進めてきた奥田教諭は「ここまで来るのが長かった」と感慨深げだ。 3年前には校内LAN(情報通信網)が無線化された。それまでは生徒用のパソコンをつなぐ40本のケーブルが床をはう中で実験をし、静止画像が出てくるのでさえ、何分も待つ必要があった。 「やっと環境が追いついてきてくれた。ウェブを使うと、授業の時間が節約できるし、掲示板はふだん質問や発言が苦手な生徒も気楽に書き込め、お互いにその情報を共有できる。必要な情報を自分から取ってきて活用するような、能動的な人になってほしい」 授業では今後、国際的なデータベースに実験結果を入力したり、英語の科学論文を入手したりするためにネットを使う。ホームページの掲示板で考えを深め、生命倫理をテーマにしたディベートにもつなげていく。「将来は携帯電話で授業が見られるようにしたい」。ネットの活用はさらに広がろうとしている。(松本由佳)
校内LAN 2005年度までに日本を世界最先端のIT国家にすることを目指した政府の「e−Japan戦略」では、公立学校の普通教室における整備率100%を目標に掲げてきた。しかし、昨年9月現在の整備率は48.8%(文部科学省調べ)にとどまり、学校のIT環境の整備は大幅に遅れている。 (2006年5月31日 読売新聞)
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