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(7) 赤ちゃんの成長に感動写真の拡大
![]() 4回目の交流で高校生たちも赤ちゃんにだいぶ慣れてきた(東京成徳大学高校で)
成長する赤ちゃんから「命」を学ぶ試みがある。 オギャーと生まれた瞬間から、ハイハイ、つかまり立ち、「あ、あ!」と指さして意思表示をし始める1歳の誕生日まで。赤ちゃんの月ごとの成長を追った「あかちゃんてね」(小学館)という写真絵本が話題を集めている。昨年の刊行以来、学校や教育委員会からの問い合わせが相次ぎ、高校の家庭科の副教材への引用も決まった。 幼い姉の視点で、赤ちゃんが「かわいい妹」になるまでの姉の心の変化も織り込んだ。12か月分の写真を一列に並べ、成長ぶりが一目で見られる観音開きのページは圧巻だ。 「赤ちゃんは1年で体重は3倍、身長は1・5倍にもなる。その成長の速さを毎月、記録できないかと思ったんです」と撮影した写真家星川ひろ子さん(56)は言う。 障害のある長男の出産をきっかけに、ハンディキャップを持つ人たちをテーマにした写真を撮り続けてきた。「障害者にも赤ちゃんにも、周囲を一緒に成長させるような、命そのものの輝きを感じます」 2日には、星川さん自身が東京都世田谷区立玉堤小学校に招かれ、この絵本を題材に初めて授業をした。
◎ 星川さんにはもう1冊、赤ちゃんがテーマの写真絵本がある。「あかちゃんが教室にきたよ」(岩崎書店)。1年間にわたって赤ちゃんを教室に招いた2年前の杉並区立松ノ木小学校5年生の授業を記録した。 この授業に取り組んだのは、東京成徳短大助教授の寺田清美さん(48)。保育士をしていた4年前から、年間を通して「赤ちゃんとのふれあい授業」で子供たちと交流をしてきた。赤ちゃんを単発的に招く授業は珍しくないが、寺田さんは「少子化で赤ちゃんとふれ合う機会の少ない子供たちには継続的な交流の場が必要」と考える。 赤ちゃんの成長に触れ、ミルクをあげたり、おむつを替えたりする経験を通し、自分も大事に育てられてきたことを実感してもらいたいからだ。また、もともと地域で読み聞かせをしたり、子育て相談を受けたりしてきただけに、地域で子育てを支える大切さも学んでほしいとも思う。 東京・北区にある付属校の東京成徳大学高校では、将来保育士などをめざす2年生の選択科目にも、週2時間の「ふれあい授業」を設けた。妊娠出産の知識や乳幼児の発達を学ぶ事前学習をしたうえで年間8回、赤ちゃんを招いている。 先月30日は4回目の訪問だった。10か月から1歳10か月までの3人の赤ちゃんと、10人ほどのグループの生徒たちが一緒に遊んだ。 11か月の女児に絵本を読んであげた生徒は「前は首がまだ据わっておらず、泣いてばかりだったのに、今日はいろんな表情を見せてくれた」と驚いていた。母親(33)も「成長を実感してくれる姿がうれしく、こちらも励まされる」と語る。 「私は母親と地域、学校をつなぐコーディネーター役。もの言わぬ赤ちゃんこそが先生です」と寺田さん。 赤ちゃんに動かされ、子供たちは多くを学んでいく。(松本由佳) 減る赤ちゃんとの触れあい 大阪保健センターの調査では、我が子を持つまでに乳幼児の世話をしたことのない母親は、1981年の39.3%から2000年には64.4%に増えた。2003年のUFJ総合研究所(当時)の調査では、中高生の約1200人の66%が、乳幼児と触れあう機会がなかった。また、「子供がほしくない」と答えた中高生では触れあい体験のない人が8割を超えていた。 (2006年11月8日 読売新聞)
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