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学校経営力

(1) 学級担任 生徒が“選挙”

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生徒の前で自己PRする高知丸の内高校の担任候補の教師たち

 ユニークな取り組みで学校を立て直した校長がいる。

 「英語関係の進路相談に乗れます」「ルールを徹底して指導します」

 体育館に集まった2年生約140人を前に、緊張した表情の教師たちが、マイクで次々と抱負を披露した。11月下旬、高知県立高知丸の内高校(高知市)は、生徒が次年度のクラス担任を選ぶ時期を迎えていた。

 「希望担任制」と呼ばれるこの制度は、同校が女子校から単位制の共学校に改編された昨年度、浜田幸作校長(57)が導入した。学校側が生徒の投票結果を調整し、始業式に担任を発表する。新2、3年生はともに8クラスで担任候補は13人。“落選”もある。

 「生徒に甘い」といった声もあるが、浜田校長は「生徒は希望進路に沿った教科の教師を選ぶなど現実的。以前に比べ、生徒と担任の距離が縮まった」と反論する。「生徒の期待が強い分、プレッシャーがあるが、やりがいもある」と2年の担任、永野佐智さん(42)。

 数年前まで「勉強せんでも丸(の内高)に行けばいい」と評された。定員割れも多く、単位制・共学化は、中退者や不登校経験者らのための学校に改編する県教委の意向でもあった。

 過疎地の前任校で生徒を増やした実績を買われ、改編の前年に着任した浜田校長は、校内の様子にがく然とした。生徒は授業中に無断退室し、教室にはガムや紙コップが散乱していた。

 半日かけて校内を清掃する「愛校活動」を実施すると、生徒は清掃に熱中した。制服から体操服に着替え、場所を割り振って目的意識を与えたことがやる気を引き出したという。「それからは、日々の清掃も見違えるほど良くなった」

 あいさつ指導も徹底。校則違反には、まず担任が保護者を呼び出し、直らなければ生徒部長、次に教頭、校長と、保護者を交えた指導を繰り返すと、遅刻や校則違反はみるみる減った。

 市内の中学校を直接訪問し、県内初の全日制単位制高校であることや新調した制服もPRした。共学化初年度、予想を上回る人気となり、県教委の構想とは異なる形の再出発となった。

 浜田校長は着任した年度から教職員による校長評価も受けている。

 昨年度は、県高校長協会の示した評価項目(表参照)に従って、教職員から無記名で「リーダーシップの発揮」など14項目について5段階評価を受けた。大部分は高い評価だったが、「職員との課題共有」では低評価の回答が26%を占めた。提言欄には「思い込みが強すぎる」との苦言もあるが、「校長中心で物事を決めてきた影響かな。反省点が見つかるので厳しい意見も大事にしたい」と評価されることにも積極的だ。

 「情熱と信念があれば教職員はついてきてくれる。先生はみんな本当によくやっちょる。じゃきい(だから)、ここまで学校が変わったがよ」。改革の根底にあるのは、教職員への信頼だった。(小坂一悟)

 教職員による校長評価の項目

 【態度】

 〈1〉積極的に取り組んでいるか

 〈2〉風通しの良い職場を作っているか

 〈3〉責任者としての自覚はあるか

 【生徒理解】

 〈4〉生徒の視点に立っているか

 〈5〉カウンセリングマインドがあるか

 【学校経営】

 〈6〉リーダーシップを発揮しているか

 〈7〉課題を職員と共有しているか

 〈8〉学校内外に説明責任を果たしているか

 〈9〉家庭や地域と連携しているか

 〈10〉情報の発信や収集を行っているか

 〈11〉家庭や地域との連携を生かしているか

 【職員の把握】

 〈12〉信頼し、仕事を任せているか

 〈13〉努力や成果を的確にとらえているか

 〈14〉服務規律などを的確に指導しているか

2006年12月5日  読売新聞)
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