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(1) 大学合格…入学前に宿題写真の拡大
![]() 教室を埋めたのは合格が決まった高校生ら。職員が大学生としての心構えも説いた(昨年12月、立命館大で)
大学が入試後の教育に力を入れる時代だ。 「宿題を出さなかった人は、入学後に担任から声が掛かりますから、そのつもりで」 立命館大学(本部・京都市)が昨年12月23日に開いた入学前説明会「プレ・エントランス・デー」の場で、政策科学部の教官がくぎを刺した。 推薦入試や、面接・調査書など多角的な観点で選ぶAO入試で、早々と同学部合格を決めた高校生らに課された宿題は次の通りだ。 〈1〉小説や教養書など、文庫や新書を中心に、様々な分野で指定された図書80冊の中から3冊選んで感想文を書く(2000字程度)〈2〉英文の課題に対して英語で自分の意見をまとめる(50〜100語程度)〈3〉「森林環境税」「世界遺産登録と地域環境」「住民参加による社会資本整備」などをテーマに、この日、在学生が行った研究発表を聞いて感想文を書く(2000字程度)。
一般的な学力試験を課さない推薦入試やAO入試による入学者は、全国の大学生の4割を超えている。立命館大でも、その割合は合格者の3割を占める。4回目を迎えた「プレ・エントランス・デー」には、その合格者の8割強にあたる計約2200人が参加した。 午前10時の「全体講義」で幕を開け、教学部の本村広司次長(54)が、入学までに学力を落とさないよう心構えを説き、サポート体制を説明した。 日本語文章、実用英語、数学などをインターネットや通信添削で学ぶ講座のほか、英語の能力試験TOEFLの通学講座も用意されている。すべて有料だが、例年、合格者の65〜70%の申し込みがあるという。 高大連携推進室長の勝村誠・助教授(49)は「大学には、一般的な学力試験を課さず合格させた責任がある。優秀な生徒を確保しても、入学までに学習意欲が下がってしまっては意味がない」と語る。 立命館大の姉妹校、立命館アジア太平洋大(大分県別府市)では、「プレ・カレッジ講座」と称して、予備校の早稲田塾(本部・東京)が入学前教育を担う。理科や数学などのほか、「大学生の常識講座」など五つの講座を用意した。
文部科学省の調査によると、2006年度にAO入試を実施した国公立大は45校、私立大は380校。私立大の実施率は7割に上る。国立大も3校に1校が取り入れている。国立大学協会は、08年度入試から、募集定員に対するAO入試枠の上限を、これまでの3割から5割まで引き上げる方針を打ち出している。 「AO入試による入学者数が増えれば、大学は入学前教育でも競い合うことになる。その際、高校レベルの補習になるのか、大学教育の先取りになるのか、二極化が進んでいくのではないか」 代々木ゼミナール教育総合研究所の安藤繁・本部長(53)の予想だ。 入学前教育は受験生への新たな「アピールポイント」になりうる。それだけに、大学の試行錯誤は続きそうだ。(赤池泰斗) 入学前教育 文部科学省の2004年度の大学入学者選抜実施要項で「(大学は)入学後の学習のための準備をあらかじめ用意しておくことが望ましい」と明示された。同省の調査では、06年度の入学予定者に対し、全国425大学のうち、リポートは222校、教科に関する課題は152校、読書感想文は130校が課していた。講義も81校。「卒論発表会への出席」「1泊2日の宿泊研修」もあった。 (2007年1月4日 読売新聞)
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